ロシアと中国はサイバーセキュリティの弱点を狙っている

ロシアと中国はサイバーセキュリティの弱点を狙う

サイバーセキュリティ企業のBlack HatおよびDEF CON conferences(デフコンカンファレンス)の創設者兼作成者であるジェフ・モス(Jeff Moss)氏が地政学、情報共有、AI の定義について語る中、ロシアと中国はサイバーセキュリティの弱点を狙っていると警告していることが分かった。

同氏によると、サイバーセキュリティコミュニティは、短期的に2つの地政学的な課題に直面。歴史上かつてないほど多くの国が2024年に大規模選挙を実施する予定であり、敵対勢力による誤った情報や偽情報キャンペーンが過熱する可能性が高い事が予想されている。

次に同氏は、中国は2027年までに台湾を征服する準備を整えたいと考えているとみられており、多くの人は中国政府が、“どこでも、すべてを、一度に”戦略を採用し、複数のサイバー攻撃を仕掛けて防御側を縛り、重要なインフラを破壊したうえで、情報を流出させるだろうとの考えを明らかにした。

サイバーセキュリティ擁護派の課題を示唆

選挙に介入しようとするロシアや、事態を遅らせたり世論を揺さぶろうとする中国のような敵対者は本当に狡猾である。

彼らは最も困難な結びつきを選び、例えば…、無料のものを標的にするなど、米国では、政府は、言論を法的に強制しようとすることに非常に躊躇しており、多くの場合、それはできないとみられている。ロンドンで開催された Black Hat Europe 2023 での情報セキュリティメディアグループとのビデオインタビューの中で同氏は次のようにも語っている。

なぜ官民間の情報共有が「重要」になっているのか。「人工知能」というときの意味と、ポリシーの策定やテクノロジーの構築など、多くのユースケースにとってより具体的であることがなぜ重要なのか。なぜサイバーセキュリティ分野での「戦争の言語」の過剰使用を「エンジニアリングの考え方」に置き換える必要があるのか。

同氏は、企業がサイバーリスクについてより多くの情報に基づいた意思決定ができるよう、電子的および物理的なセキュリティ問題について企業にアドバイスしている。同氏は、米国と英国の両政府のサイバーセキュリティ諮問委員会の委員を務めており、かつては、サイバー空間の安定性に関する世界委員会の委員およびテレビ番組「ミスター・ロボット」の技術コンサルタントを務めていた人物である。