英国最大手チェース銀行が仮想通貨決済を禁止

英国最大手チェース銀行が仮想通貨決済を禁止へ

JPモルガンの英国チェース銀行(Chase UK)は、英国の消費者を狙った詐欺が相次ぐ中、2023年10月16日(月曜日)から仮想通貨決済を禁止することが大手メディアロイターの報道によって判明した。

同社は、英国の顧客がチェース口座から仮想通貨企業に送金することを禁止し、チェースのデビットカードで仮想通貨を取引しようとする試みをブロックするという。顧客に送ったメールによると、2021年9月に英国で営業を開始した同銀行は、顧客が仮想通貨を購入しようとしていると思われる取引を拒否でき、顧客は別の銀行やプロバイダーを使って仮想通貨を購入することになるという。

JPモルガン傘下のネオバンクによる動きは、仮想通貨取引が英国の新しい金融サービス・市場法案の下で規制される金融活動であることを考えると、奇妙なタイミングに思える。また、FCA(Financial Conduct Authority:金融行為監督機構)や他の規制当局が草案を作成し、アンドリュー・グリフィス(Andrew Griffith)経済長官が間もなく最終決定されるはずだと述べている。

米国銀行の破綻後に英国で多くの銀行が制限・禁止を受けた動き

SVB(Silicon Valley Bank:シリコンバレー銀行)、シルバーゲート銀行(Silvergate Bank)、シグネチャー銀行(Signature Bank)など、仮想通貨に親和的な米国の銀行が破綻した後、仮想通貨取引を制限または禁止する英国の銀行が大量に存在することを受けて、今回の決定に至っている。

2023年5月、英国の大手消費者銀行であるナットウエスト(NatWest=ナショナル・ウエストミンスター銀行)は、顧客が仮想通貨取引所に送金できる額を制限。顧客は毎日1,200ドル(約18万円)、毎月6,000ドル(約90万円)しか送金できなくなっており、仮想通貨取引額に大きな影響を与えていると考えられている。さらに最近では、HKMA(香港金融管理局)が、世界有数の銀行および金融サービス機関HSBCスタンダード・チャータード(Standard Chartered Bank)に対し、仮想通貨取引所を避けていることを問題視。バイナンス(Binance)のマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑が米国で報じられた後、両銀行は仮想通貨企業へのサービス提供に消極的な姿勢を見せた。

チェース銀行の動きはフラストレーションをもたらす可能性も

今回のチェース銀行の動きは、2021年の強気相場後に英国の仮想通貨トレーダーが経験したようなフラストレーションをもたらすかもしれないと懸念されている。

後にロンドンに移住したあるフランス人投資家は、仮想通貨投資で400万ドル(約6億円)近くを稼いだが、銀行が仮想通貨取引を禁止したことで引き出せなかったという。さらにこの起業家は当時次のように述べている。

彼らは基本的に、仮想通貨の利益のためのリポジトリとしてビジネスアカウントを使用する人々を擬似的にバン(BAN)している。

一方で、2021年6月に英国の別の銀行であるバンクTSBは、仮想通貨プラットフォームにおける過剰な詐欺レベルを懸念し、500万人の顧客に対して仮想通貨の購入を禁止。この動きに先立ち、バークレイズ(Barclays PLC)、モンゾ(Monzo Bank)、スターリング(Starling Bank)が仮想通貨取引所への電信送金を一時的にブロックする動きを見せており、仮想通貨取引禁止の動きに拍車がかかっている。