トルコの仮想通貨取引所Thodexの若きCEOに懲役11,196年
破綻したトルコの仮想通貨取引所Thodexのファルク・ファティ・オゼル(Faruk Fatih Özer)CEO(最高経営責任者)、氏は2023年9月7日(木曜日)、懲役11,196年10カ月15日の判決を受けたと報じられたことが明らかになった。
現地メディアの報道によると、同CEOは詐欺、犯罪組織の指導、マネーロンダリング(資金洗浄)を含むさまざまな罪で有罪となったのち、検察は同CEOに対して40,562年の実刑判決を求刑していた。同CEOは、40万人以上の顧客が所有する20億ドル(約2,933億円)以上の仮想通貨を持ち逃げしたとされ、裁判所は彼の仮想通貨取引プラットフォームを犯罪組織と認定した。
かつてはトルコ最大の仮想通貨取引所であったThodex
2017年に設立されたThodexは、2021年4月に突然崩壊するまではトルコ最大の仮想通貨取引所の一つであった。
同プラットフォームはオフラインになり、同CEOは姿を消し、40万人以上の顧客が総額20億ドル相当とされる保有仮想通貨にアクセスできない状態に陥った。裁判所は、Thodexは犯罪組織であり、同CEOは当初から詐欺の意図を持って行動していたと認定しており、さらに同CEOの妹セラプ(Serap)氏と弟グベン(Guven)氏も同罪で有罪となっている。
同CEOは2023年8月、インターポール(国際刑事警察機構)が発したレッドノーティスに従ってアルバニアで逮捕され、長い法的手続きの後、彼は6月にトルコに送還され、マネーロンダリング、詐欺、組織犯罪の罪で有罪となった。これに対して同CEOは、彼の意図が犯罪的であったという認定に反論しており、国営のニュースサイト「Anadolu Agency」によると、もしそうであれば、彼は裁判所に対しこれほど素人じみた行動はとらなかっただろうと語ったうえで次のように述べている。
私は地球上のどんな組織でも率いることができるほど賢い、それは22歳で設立したこの会社を見れば明らかだ。
Thodex CEOに対する判決と背後にある意味
ユーロニュースによると、仮想通貨はトルコで非常に人気があり、その理由はデジタルマネーが高騰するインフレとトルコリラの急な切り下げから貯蓄を守るために広く使われているからである。
検察は、この事件の被害者は2,027人あまりであると推定しており、同CEOは懲役11,196年10カ月と15年を言い渡され、また1億3,500万トルコリラ(約7.3億円)の罰金に課せられたとのことだ。
11,000年以上の懲役刑は想像を絶する長刑のように思えるかもしれないが、実はこの記録はタイの女性チャモイ・ティピャソ(Chamoy Thipyaso)氏のもので、当時2億400万ドル(約299億円)相当のマルチ商法で1万6,000人以上をだまし取り、1億4,078年の実刑判決を受けた。