バイナンス(Binance)は日本を次なる強国にする準備を整える

バイナンスが8月にも日本再進出か

世界最大の仮想通貨取引所バイナンス(Binance)が、8月に日本で業務を開始する予定であることが、ブルームバーグの報道で明らかになった。

バイナンスのジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)は、2023年7月25日(火曜日)に東京で行われたカンファレンスで日本で業務を開始する予定を明らかにした。同取引所は5月初め、現地の規制に完全に準拠したプラットフォームを通じて日本のユーザーにサービスを提供し始めると発表しており、同取引所がSEBC(さくら取引所ビットコイン)を買収したことに続くもので、SEBCは現在、日本におけるバイナンスの代表となる仮想通貨取引プラットフォームである。日本はバイナンスが初期の規制制限に直面した国の一つであり、2018年、規制当局から規制手続きを踏んでいないと非難され、閉鎖し、日本から撤退した。

バイナンスによる日本再進出

バイナンスによる日本再進出は、2022年11月に非公開の契約でSEBCを購入したことを受けて行われたものであり、SEBC は日本金融庁の監督下にあり、バイナンスに日本での事業を正式に再開する許可を与えている。

今回の発表により、日本のユーザーは8月までにバイナンスのサービスにアクセスできるようになることが期待できるが、さくらの既存ユーザーは、同プラットフォームにて再
登録しなおす可能性も浮上している。

2022年11月にさかのぼると、ジャオ氏は関係者に対し、日本は新興Web3業界において大きな可能性を秘めており、仮想通貨の継続的な受け入れと成長において重要な役割を果たす予定であると明らかにしている。

他にもバイナンスは、米国の規制当局との法廷闘争に巻き込まれており、SEC(米国証券取引委員会)は、取引量を水増しするためのウォッシュ取引(※1)で同社を非難した。

(※1)ウォッシュ取引とは…
売り手と買い手が同じ、あるいは両者が共謀し、仮想通貨を同時に買い注文と売り注文することで、活発な市場に見せるために意図的に取引量の水増しをする行為

立て続く訴訟に消費者保護で窮地を回避するバイナンス広報担当者

バイナンスは5月、グローバルプラットフォームでの日本のユーザー向けサービスを11月30日をもって停止し、既存ユーザーが8月1日以降に新たな本人確認プロセスを通じて新しいローカルプラットフォームに移行できるようにする計画を明らかにしている。

日本は2017年に金融庁が国内で活動する仮想通貨企業の登録プロトコルを制定して以降、バイナンスと複雑な関係にあり、金融庁は2018年と2021年にバイナンスが日本市場から撤退すると宣言したにもかかわらず、必要な許可を得ずに日本で事業を行っていたとして警告を発している。また、それ以前にも、SECはバイナンスUSに入金された全資金に一時的な禁止命令を課すよう裁判所に働きかけており、規制当局とのトラブルに見舞われている。しかし、SECと取引所は法廷外で和解したため、この命令は日の目を見ることはなかったが、合意内容では、同支店のすべての資産とサーバーは、米国に拠点を置くスタッフのみの管理下に置かれるとのこと。同様に、CFTC(米商品先物取引委員会)もバイナンスに対して法的措置を開始している。

一方で、特定の規制当局との協議について質問された際にバイナンス広報担当者は、消費者を保護し、イノベーションを刺激し、世界規模で仮想通貨業界を発展させるために規制当局や政策立案者と協力するという取引所のコミットメントをデクリプトに保証するだけだった。