ツイッターハッキング実行犯らに実刑判決
DOJ(米国司法省)は、ジョー・バイデン(Joe Biden)米国大統領やイーロン・マスク(Elon Musk)氏を含む有名人のソーシャルメディア・アカウントをハッキングしようと共謀したイギリス人男性に、5年の実刑判決が下したことを発表した。
24歳のジョセフ・ジェームズ・オコナー(Joseph James O’Connor)氏は、ビットコイン詐欺で130以上のツイッター・アカウントの乗っ取りを狙ったハッキング・グループから約3年後の5月、一連のサイバー犯罪の罪を認めた。プラグウォーク・ジョー(Plugwalk Joe)というオンライン上の別名でも知られる同氏は、さらに仮想通貨79万4,000ドル(約1.1億円)の窃盗、サイバーストーキング、オンライン恐喝の罪を認め、5年の実刑判決が下された。
4月26日にスペインから米国に送還された同氏は、ハッキング首謀者で10代の容疑者グラハム・アイバン・クラーク(Graham Ivan Clark)氏ら3人ともに起訴された。アップルやウーバーなどの一流企業やビル・ゲイツ(Bill Gates)氏、バラク・オバマ(Barack Obama)前米国大統領などの著名人がターゲットになっていた。
オコナー氏は犯罪の中で、SIMスワップ攻撃を使ってマンハッタンを拠点とする仮想通貨会社の幹部3人から当時79万4,000ドル相当のビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ライトコイン(Litecoin/LTC)を盗んでいる。
約2カ月続いたツイッターハッキング
詐欺計画は2019年3月から5月まで続いたとみられ、盗まれた資産は現在160万ドル(約2.3億円)以上の価値があり、オコナー氏は共謀者とともに複数の仮想通貨取引所口座を通じて資金洗浄をしている。
さらに同氏は2019年から2020年にかけて、TikTokやSnapchatアカウントの悪用、オンライン恐喝、サイバーストーキングに関連するさまざまな犯罪に参加。同氏と共犯者は、数百万人のフォロワーを持つ公人のTikTokアカウントに不正アクセスし、自己宣伝メッセージを投稿して、指定された個人グループに機密資料を公開すると脅迫しており、DOJ刑事部のケネス・A・ポライト・ジュニア(Kenneth A Polite Jr,)司法次官補は、次のように語っている。
オコナー氏の犯罪行為は露骨で悪質であり、その行為は複数の人々の生活に影響を与えた。彼は被害者に嫌がらせをし、脅迫し、恐喝し、相当な精神的損害を与えた。多くの犯罪行為者と同様、オコナーはコンピューターを使い、ステルスアカウントや米国外からの偽名に隠れて匿名性を保とうとした。
オコナー氏はこれらの罪での禁固刑に加え、3年間の監視付き釈放が言い渡されたほか、794,000ドル(約1.1億円)の没収金の支払いが命じられている。なお、オコナー氏のパートナーでツイッターハッキング首謀者であるクラーク氏は、2021年3月に有罪を認めた後、少年刑務所で3年の実刑判決を受けている。