バイナンス(Binance)はSEC訴訟を受けて80億ドルの資産流出

SECによる訴訟でバイナンスは80億ドル以上が流出

大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)の総資産は、SEC(米国証券取引委員会)が、2023年6月12日6月5日(月曜日)に同社を相手取って訴訟を起こして以来、80億ドル(約1兆円)以上減少した事が分かった。

Nansen「Exchange Reserves(為替準備金)」より画像引用

ブロックチェーンおよびDeFi分析を手掛けるディーファイラマ(DeFillama)最新のデータによると、取引所の総資産は6月5日に記録された641億9,500万ドル(約9兆円)から559億5,000万ドル(約7.8兆円)に減少。ブロックチェーン分析会社ナンセン(Nansen)はデータをさらに裏付けており、6月12日時点でのバイナンスの総準備金残高は542億ドル(約7.5兆円)を示している。

チェーンごとの資産内訳によると、バイナンスはトロン(TRON/TRX)に1,553億5,000万ドル(約21.6兆円)、ビットコイン(Bitcoin/BTC)152億9,000万ドル(約2兆円)、イーサリアム(Ethereum/ETH)に123億9,000万ドル(約1.7兆円)相当の資産を保有している。バイナンススマートチェーン(BSC)、リップル(Ripple)、ソラナ(Solana)などのブロックチェーンも、プラットフォームのかなりの量の資産を保持している。

バイナンスで5日連続の流出を記録

ディーファイラマのデータはさらに、金融規制当局が連邦証券法違反でバイナンスを訴えた翌日の6月6日以降、バイナンスが純流出を経験していることを示している。

同取引所は、ユーザー資金は安全だと一貫して主張してきたが、訴訟以来の出金総額は30億ドル(約4185.8億円)を超えた。同期間中、SECはバイナンスUS資産の凍結に動き、ジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)に対する裁判所への召喚状を発行した。一方、ディーファイラマのデータによると、プラットフォームへの流出額は6月11日時点で6,957万ドル(約97億円)まで大幅に減少している。しかし、この出金の波は、2022年11月のFTX崩壊後に取引所が処理したものと比べるとかなり少ないと言える。FTX崩壊当時、仮想通貨ユーザーが自己保管サービスを受け入れたため、バイナンスは60億ドル(約8,371億円)以上の出金を処理している。

バイナンスCEOが流出について説明

2023年6月10日(土曜日)、ジャオCEOは一部のデータアグリゲーターが自社埋蔵量を誤って測定している可能性があると説明した。

同CEOによると、一部の第三者分析会社はAUM(Assets Under Management:運用資産残高)の変化を米ドル換算で流出額として計測。同氏は、仮想通貨のAUMの減少は「流出」として分類されるため、これらは2つの異なるものであると指摘。同CEOは、一部のプラットフォームでは流入を測定せず、流出のみに焦点を当てていると主張している。バイナンスが保有する仮想通貨を法定通貨に転換したという噂が急速に浮上した後、同CEOはこれらを明確にする必要に迫られていた。

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