コインベース(Coinbase)は仮想通貨のルール作りを行っていないとしてSEC委員長を非難

コインベースはSECのゲンスラー委員長を非難

米国におけるSEC(米国証券取引委員会)と仮想通貨業界の戦いはピークに達し始めており、規制当局の影響を受けているコインベース(Coinbase)は、仮想通貨のルールを作っていないとしてゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長を非難している事が分かった。

新たな裁判所への申し立ての中で同取引所は、仮想通貨規制の枠組みを作成するというSECの使命についての明確化を繰り返し求めていた。しかし、米国控訴院第三巡回区への最新の申し立ての中で、同取引所は「SEC議長は規則制定は行わないと公言し続けている」として同機関を非難した。

委任令状ではなく命令令状を求めるコインベースの主張

同取引所が2022年7月に提出した「規則制定の請願書」に対する回答を求め続けているため、この申請は委任令状となり、政府機関に対してデジタル資産証券規則を提案し採用するよう求めた。

同取引所は、概説している3つの議論により、命令令状が正当であると感じており、次のように主張している。

・SEC議長は引き続き、ルール策定は行わないと公に述べている。
・SECの執行措置は、SECがコインベースの請願を考慮していないことを裏付けている。
・SECは何年もの間、他の仮想通貨業界の請願を無視してきた。

明らかに同取引所は、SECが「執行による規制」のプロセスに固執するのではなく、正式なルールや規制の制定を意図的に後回しにしていると考えている。

ゲンスラー委員長は規制はすでに存在と主張

同取引所が提供した議論や実例にもかかわらず、SECとゲンスラー議長は、規制が存在することを主張している。

同委員長は3月29日、金融サービスおよび一般政府に関する下院歳出小委員会で講演し、次のように述べている。

規制は実際にはすでに存在しています。それらは証券規制と呼ばれるもので、誰かが一般から資金を集めようとする場合には開示規制があるのです。

これは、ほぼすべてのコインが有価証券とみなされ、現行法に基づいて規制されると考えているSECの仮想通貨に対するアプローチの概要を明確に示している。SECが今後もすべての仮想通貨を証券法に準拠させ続ける場合、特に他国が友好的な枠組みを設定している中で、米国で仮想通貨企業が繁栄することは困難になる事が予想されている。