EU欧州連合理事会が包括的な仮想通貨規制枠組みを承認

EU理事会がMiCA を全面支持

EU(欧州連合)の理事会は、5月16日(火曜日)に行われた投票において、加盟国27カ国がMiCA (Markets in Crypto Assets:暗号資産市場規制法案)規制を全面的に支持したことが発表された事が分かった。

日本語訳:
同評議会は、暗号資産とサービスの市場に関する史上初のEU規則を採択したところです。
新しい規制は、イノベーションを促進しながら、透明性を向上させ、金融の安定を維持し、消費者保護を強化することを目的としています。

EUの金融部門である欧州連合理事会は16日、EU域内で仮想通貨の包括的な規制枠組みを確立する画期的な法律であるMiCA 規制を承認。全会一致の投票は、MiCAが法律として成立し、ヨーロッパ全域の仮想通貨オペレーターを正式に規制する前の最終ステップの1つであることを示すものである。MiCAの枠組みは、2020年に欧州委員会が初めて提案し、2023年4月に欧州議会で正式に採択された法律であり、EU加盟国と仮想通貨業界の関係者の間で議論と交渉が行われた後、2023年5月16日に欧州理事会の全メンバーによって規制の最終テキストが合意された。

仮想通貨サービスプロバイダーは多くの要件を求められる

2024年に施行が予定されているMiCAは、ライセンス、顧客デューデリジェンス、リスク管理など、仮想通貨サービスプロバイダーに対する多くの要件を定めることになる。

同規則は、ステーブルコイン、ユーティリティ・トークン、およびNFTなどのデジタル資産を発行・取引するための枠組みを構築する予定だ。MiCAでは、顧客保護が主な焦点となっており、ステーブルコインの発行者は、暴落時にフィアット(法定通貨)ペッグコインの裏付けとなる十分な準備金を用意する必要がある。

仮想通貨サービスプロバイダーは、事業を行うEU諸国の規制当局からライセンスの取得を求められ、これらは、顧客に対して適切なセキュリティ対策とリスク保護を提供するのに役立つ。16日の投票は、EUの閣僚や議員の間で法案への支持が高まったことから可決されており、同法案は4月の投票で法案を支持したEU理事会と議会の2つの側面から支持を集め、公式投票を通過しなければならなかった。

MiCA 法案標準化までには1年から1年半を要する

EUは今後、議会の交渉担当者とEU理事会メンバーの両方からの支持を受け、MiCAを官報に掲載する予定だ。

この政策が完全に効力を発揮し、EU仮想通貨市場の標準化が始まるまでには、12~18カ月かかるとみられている。EUの加盟国は、新仮想通貨税法とマネーロンダリング(資金洗浄)防止システムについても議論。仮想通貨事業者は顧客の保有資産を税務機関に開示することが求められ、マネーロンダリングやテロ資金調達の目的で仮想通貨産業が悪用されるのを防ぐための新しいAML対策が合意された。

スウェーデンの財務大臣は、仮想通貨分野を規制することは、これらの資産に投資した欧州の人々や、資産を提供する事業者の利益につながると強調。そのため、今回の投票ではEUが世界で初めて仮想通貨ルールを導入し、標準的なライセンスポリシーを導入する主要な司法管轄区となることを意味している。

一方で、MiCAと並んで、欧州理事会は5月末に仮想通貨のための新しい規制枠組みに税制を含めることを正式に議決する予定で、行政協力に関する指令「DAC8」と呼ばれるこれらの追加規制は、EU居住者の脱税に対抗する試みだ。特に100万ユーロ(約1.5億円)を超える高利回り資産を所有する人々に対して、特別な監視を提供する予定とのことだ。