コインベース元幹部に2年の実刑判決
仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)の元マネージャーであるイシャン・ワヒ(Ishan Wahi)容疑者がインサイダー取引犯罪の罪で懲役2年の実刑判決を受けたことが分かった。
Coinbase Global Incの元従業員であるワヒが、インサイダー取引に関与したとしてついに懲役2年の判決を受けた。同氏の判決はマンハッタン連邦裁判所のロレッタ・プレスカ(Loretta Preska)連邦地方判事によって言い渡され、同判事はワヒに対し、ニュージャージー州フォートディックス連邦矯正施設で6月21日午後2時までに降伏するよう命じた。ニューヨーク南部地区連邦検察局のダミアン・ウィリアムズ(Damian Williams)連邦検事は、2023年5月9日(火曜日)正午頃に判決を発表し、次のように述べている。
仮想通貨市場のすべての参加者に対し、法律が確実に適用されるという強いシグナルを送るだろう
ワヒは、彼はコインベースでの立場を利用し、新規トークンの上場前に莫大な利益を上げ、弟のニキル・ワヒ(Nikhil Wahi)と同僚のサミール・ラマニ(Sameer Ramani)とともにこの悪事を遂行。彼らは、2021年6月から2022年4月までに合計55のデジタル資産を取引しており、最終的に全員が得た利益は合計約150万ドル(約2億円)に達している。
コインベースインサイダー事件が次犯罪への判決の主要基準例に
容疑者らは2022年7月、インド行きの飛行機に乗ろうとしていたところを当局に逮捕され、最終的に、兄弟たちは容疑を認めたが、イシャンは36~47カ月の懲役に同意した。
ニキルが2022年9月に有罪を認めたとき、懲役10カ月の判決を受けた。ラマニはいまだ行方不明で、まだ逮捕されていない。複数検察官は、イシャンが同様の犯罪を犯そうと考えている他の人々への教訓となるよう、イシャンに3年以上の懲役を言い渡したと主張。この事件は、過去数年間に米国の規制当局によってエスカレートされたインサイダー取引事件の2件のうちの1件で、2件目は、OpenSeaのナサニエル・チャステイン(Nathaniel Chastain)に対するインサイダー取引疑惑である。ワヒと同様、チャステインはプラットフォームのトップページに掲載され紹介されるNFT(非代替性トークン)をひんぱんに購入していたことがわかっており、合計で数千ドルの不法利益をかき集めている。
前例となるコインベースのインサイダー取引事件
イシャン・ワヒに下された判決は、SEC(米国証券取引委員会)が関連犯罪を犯した他の仮想通貨業界内部関係者の取り締まりを強化推進の主要例となると捉えている事から、非常に重要な判決である。
デジタル収集品を対象とした犯罪のため、複雑ではあるものの、OpenSeaのチャステイン容疑者の訴訟は近い将来、より直接的な和解が成立する可能性がある。