元OpenSea幹部は最大40年の懲役
NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスOpenSeaの元プロダクト マネージャーであるネイト・チャステイン(Nate Chastain)氏は、史上初の NFT インサイダー取引事件で、ニューヨークの連邦大陪審によって有罪判決を受けた事が分かった。
チャステイン氏の有罪判決は、事件初公聴会がニューヨーク南部地区地方裁判所で開催されてから2 週間も経たないうちに下された。大手メディアロイター通信の報道によると、連邦陪審は、NFTインサイダー取引スキームにおける同氏の役割などについて、同氏がマネーロンダリング(資金洗浄)と電信詐欺で有罪と判断。同氏は最高で40年の懲役に直面している。
起訴は2022年6月、マンハッタン連邦検事局によって起訴され、同氏は製品責任者として、NFTマーケットプレイスのホームページに掲載されるデジタルアートワークを選ぶ責任を負っていたとのこと。
元OpenSea幹部の弁護士は無罪を主張
連邦検察官は、元OpenSea幹部が会社での地位を悪用して NFT を違法に取引したとして告発した。
同氏は、2021年6月から2021年9月の間、上場間近のNFTを購入し、価格が急騰した後に売却することで、50,000ドル(約670万円)以上を稼いだと報じられており、複数ウォレットとアカウントを使用し、資金をルーティングすることで、足跡を隠す偽装工作も実行していたという。また、どのNFTがOpenSeaサイトで取り上げられるかについての知識を利用し、自分のために収益性の高い取引をしている。
この事件は新しい仮想通貨取引に関係していたが、同氏の行為には特に革新的なものは何もなく、ダミアン・ウィリアムズ(Damian Williams)ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所弁護士は、「詐欺そのものであった」と指摘している。
同氏の有罪判決は、弁護士が手続き上の理由で訴訟を却下するよう申し立てをしてから 6 カ月以上後に下されている。同氏の弁護士は、OpenSeaは彼の在職中にインサイダーの知識を機密情報として扱っていなかったと主張し、「誰もネイトに、その情報を使用したり共有したりできないとは言いませんでした」と、無罪を主張している。