英国政府は詐欺と戦うために仮想通貨勧誘電話の取り締まりへ

英国政府が仮想通貨勧誘電話の取り締まりを本格化

英国政府は、保険や仮想通貨などの金融商品を販売する勧誘電話を禁止し、詐欺に対処していく方針であることが分かった。

不正行為は英国に年間約70億ポンド(約1.2兆円)の損害を与えると推定されている。政府の新しい詐欺戦略には、400の新たな雇用を創出し、情報主導の警察活動へのアプローチを近代化することが含まれるという。

電話番号なりすまし対策でOfcomと連携

英国政府は、通信規制当局であるOfcom(オフコム:英国情報通信庁)と協力し、新しい技術を利用した電話番号の”なりすまし”に対抗することを計画している。

英国政府がOfcomと提携して得られるものは大きく、Ofcomの有する新技術により、詐欺師が正規の英国の電話番号になりすますのを防げる。電信詐欺は現在、英国の国家犯罪庁の最新調査によると、同国内で最も蔓延している犯罪であり、15人に1人が影響を受けていると言われている。そのため政府は、金融機関に不正行為の被害者への払い戻しを義務付ける法律の導入も目指しているという。

報告によると、地域の規制が緩いことから、組織犯罪シンジケートが英国を活動拠点として使用していることを強調。英国で会社を登録するのは安価で、身分証明書も必要ないため、詐欺会社が簡単に設立して誤った信用を得られる。

仮想通貨企業登録に対するFCAの厳格なアプローチ

デジタル資産市場の金融サービスおよび市場法の規則によると、FCA(Financial Conduct Authority:金融行動監視機構)は、仮想通貨活動に従事するすべての企業に登録することを要求している。

ただし、承認を与えるためのFCAの厳格なアプローチにより、複数の仮想通貨関連ビジネスが未登録のエンティティとして運営されている。英国のリシ・スナク(Rishi Sunak)首相は、詐欺師と戦う決意を表明。詐欺師は「数秒で人生を台無しにする」と述べ、彼らが隠れようとするところならどこでも彼らと戦うことを約束した。

また、英国政府は、詐欺師が多数の人々に同時にアクセスするため、一般的に使用する「SIM ファーム」などの方法を終了し、犯罪者がそのような技術を悪用するのを防ぐためにマス テキストメッセージサービスの使用を見直すことも目指しているとのことだ。