米国財務長官:米国のインフレは依然として「高すぎる」

米国財務長官がインフレ率が高すぎると指摘

米国のジャネット・イエレン(Janet Yellen)財務長官は、米国のインフレ率は過去2四半期に緩やかになったものの、依然として高すぎると指摘したことが明らかになった。

同財務長官は、IMF(国際通貨基金)世界銀行で開催される米国労働統計局による消費者物価指数(CPI)データの発表に先立ち、同国のインフレ率は依然として高すぎると述べた。2023年3月のCPI数値がインフレ率の上昇を指している場合、2023年5月に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)で、米国連邦準備制度理事会が0.25%の上昇で利上げを継続する可能性があるとのこと。

世界経済はほとんど変わっていない

2月のG20会合で同財務長官は、世界経済について楽観的な見方を示し、2022年秋に多くの人が予測したよりも良い状況にあり、この基本的な状況はほとんど変わっていないとの見解を示した。

また、米国の地方銀行セクターにおける最近のハードルについて注意を表明しており、ロシアの対ウクライナ戦争による経済への悪影響の可能性についても言及した。しかし、同財務長官は、国内の銀行システムは良好な状態にあり、世界経済は弾力的であるとコメントしたとロイター通信は報じている。実際、2023年3月に複数の地方銀行が閉鎖された後、銀行システムは緩和されたものの、米国は脱色をめぐる思惑という形で新たな課題に直面している。そのため、ドルベースの世界金融システムの代替に向けた取り組みが行われれば、ビットコイン(Bitcoin/BTC)や仮想通貨市場の可能性が高まるとの見方が強まっている。

2023年にFRBピボット発生か

仮想通貨トレーダーの中には、米国FRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げペースがピークに達し、遅かれ早かれ2023年にFRBピボット(※方針転換や路線変更)が起こると考えている投資家もいる。

CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWatch (※FOMCでの政策金利操作に関する確率を分析するツール)ツールによると、2023年5月3日の会合での目標金利の確率は、25bpsの利上げを繰り返すと市場は予想している。

金融市場の混乱が中央銀行の仕事を複雑化させる

一方で、IMFが11日に発表した世界金融安定報告書では、最近の金融市場の混乱が、特にインフレ圧力が続く中、中央銀行の仕事を複雑にする可能性があると警告している。

米国では現在、FRBが過去40年間で最も高いインフレ率を冷やすために取り組んでおり、同財務長官は、世界経済の安定に影響を与えうるその他のマクロ経済要因として、ウクライナで進行中のロシアの戦争や、米国の債務上限に関する合意の欠如についても言及。こうした課題にもかかわらず、同財務長官は、ロシアの侵攻から自国を守るウクライナに対し、経済的・人道的支援を継続することを約束しっている。その中でも、ビットコイン価格が待望の30,000ドルのマイルストーンを超えたため、仮想通貨市場は盛り上がりを見せている。