英国の銀行は仮想通貨企業への協力を拒んでいる
英国の仮想通貨企業は銀行サービスを得るのに苦労していると、大手メディアのBloombergが複数の情報源を引用して報じたことが明らかになった。
銀行は、これらの企業が越えるためのハードルを構築していると報告されており、追加の文書と取引の監視を要求することが普通になっている。英国における銀行問題は、一部の企業が政府に苦情を申し立てるほど悲惨な状況になっており、リシ・スナク(Rishi Sunak)首相が英国をデジタル資産のハブとして確立しようと努力しているにもかかわらず、地元の銀行がこの目的に反して働いているとのこと。
この状況は、米国を拠点とする金融機関Silvergate Capital、Signature Bank、Silicon Valley Banksの崩壊によって悪化したとみられている。実際、パッシブ投資家(※1)向けにさまざまなポートフォリオを提供する仮想通貨スタートアップである、SavingBlocksの創業者エドゥアール・ドニゾー(Edouard Daunizeau)氏は、自社の銀行口座の確保に苦労したことを明らかにした。
市場全体の値動き(指数の値動き)と同様の投資成果を目指す運用法でほとんど売買をせず、バイ・アンド・ホールド戦略を好む投資家の事。
仮想通貨企業による銀行口座開設の難しさ
ドニゾー氏は銀行口座の開設を打診した9つの金融機関のうち、7つの金融機関に断られ、彼の申請を受け入れた2つの銀行は、追加書類の提出を求め、彼が顧客の取引をどのように監視しているのか、詳細を求めているとのこと。
さらに、仮想通貨に特化した会計・専門サービス会社Nephos Groupを共同設立したジョー・デビッド(Joe David)氏は、送金プラットフォームWise Plcが規約違反を理由に11月から3カ月以上、自社の口座を凍結したことを明らかにしている。問い合わせの結果、Wise広報担当者は、同プラットフォームは仮想通貨に関わる企業をサポートしておらず、そのような活動に関与していることが判明した顧客の口座を凍結していると述べた。
一方で、第1四半期に仮想通貨VCの投資額が94%も低迷していることが明らかになっており、HSBC HoldingsやNatWest Groupのような大手銀行も、顧客が仮想通貨取引所に移動できる金額を制限。銀行規制が続く中、英国の金融機関はすでに欧州の他の地域に仮想通貨の地盤を奪われつつあり、ベンチャーキャピタル(VC)調査会社PitchBookのデータでは、デジタル資産企業へのVC投資は2022年から94%減少して第1四半期には5,500万ドル(約72.4億円)になったが、ヨーロッパの他の地域では31%増加したとのこと。