Meta社のメタバース部門が巨額損失を計上
メタバースに特化したReality Labsは、2022年の最終会計四半期に42億8,000万ドル(約5505,5億円)もの損失を出し、同社の未来と繰り返し位置づけられてきた苦境にある部門にとって、最低値を更新したと発表したことが明らかになった。
最近の発表により、メタバース部門の2022年の損失総額は137億2,000万ドル(約1,7兆円)という驚異的な数字になり、同部門の2022年最終月の売上は7億2,700万ドル(約934.8億円)にとどまり、前年同期の売上から17%減少した。
注目を集めた仮想・拡張現実体験のためのハードウェアとソフトウェア
Reality Labsは、仮想現実ヘッドセット「Quest」やメタバース・プロジェクト「Horizon Worlds」など、仮想・拡張現実体験のためのハードウェアとソフトウェアを設計しており、近年大きな注目が集まっていた。
このようなひどい数字にもかかわらず、1日に行われた四半期決算報告会では、同社が全部門とアプリを合わせて321億ドル(約4.1兆円)の収益を上げ、収益予測の315億3,000万ドル(約4兆円)を上回ったことを報告している。Meta社のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOは、1日の決算説明会で、次年度を効率化の年と位置づけ、11月に創業者が1万1,000人の従業員をピンクスリップさせたことをきっかけに、この1年をスタートさせたと述べた。
同氏は、このレイオフの後も、Metaはどんな形であれ、スクラップされた状態を維持すると主張し、成果の上がらないプロジェクトは、積極的に切り捨てるつもりであることを主張。その上で同氏は次のように語っている。
われわれの優先順位は変わっていません。ロードマップを動かしている2つの大きな技術の波は、今日のAIと、より長期的にはメタバースです。Questは、今後すべてのヘッドセット、そして最終的にはARヘッドセットのベースラインとして、この技術を確立するものと期待しています。
Meta社員も使用を避けるHorizon Worlds
Metaは、このヘッドセットが、低迷している部門のハードウェア収入を増やすだけでなく、同社のHorizon Worlds仮想現実エコシステムを普及させることを期待している。
このエコシステムは、同氏が以前にインタラクティブなビジネス、娯楽、社会交流の未来として宣伝していたものであり、大きな注目を集めている。10月には、Reality Labsに数百億ドルの資金を投入したにもかかわらず、Horizon Worldsは非常に使いづらく不快であるため、プロジェクトを進めているMetaの社員でさえ可能な限り使用を避けているとのことだ。