ベネズエラ大統領が仮想通貨部門を再編

ベネズエラ大統領が仮想通貨部門を再編へ

ベネズエラのニコラス・マドゥーロ(Nicolas Maduro)大統領は、2023年3月に発布された仮想通貨国家監督局を再編し、方向転換することを決定した事が分かった。

仮想通貨部門の再編成は、FOGADE(Fondo de Garantia de Depositos y Proteccion Bancarai)の社長を務めたアナベル・ペレイラ・フェルナンデス(Anabel Pereira Fernandez)弁護士が率いる新しい理事会が率いる予定だ。このFOGADEは、FDIC(米国連邦預金保険公社)に相当するベネズエラの企業だ。他のプロジェクトディレクターには、ヘクター・アンドレス・オブレゴン・ペレス(Hector Andres Obregon Perez)氏、ジュリオ・セザール(Julio Cesar)氏、ルイス・アルベルト・ペレス・ゴンザレス(Luis Alberto Perez Gonzalez)氏、モーラ・サンチェス(Mora Sanchez)氏が参加する予定だ。

なお、3月17日に発行された法令によると、同理事会は仮想通貨部門の今後のステップをスケジュールするように設定されているという。

再編の背景には前副大統領の汚職容疑が

今回の動きは、ベネズエラ大統領が、2014 年に米国がベネズエラに課した経済制裁のすべての悪影響から、ベネズエラ国民の安全を確保するための実行可能な措置を講じることを望んだ後に行われている。

同命令は、取締役会がスペイン語で仮想通貨部門Sunacripの次のステップを計画すると述べた. 命令は、再編成に含まれる要素に関する詳細情報をまだ提供していない。仮想通貨のオーバーホールには、設立以来部門を率いていたホセリット・ラミレス(Joselit Ramirez)氏は除外される形となった。

ベネズエラの現地メディアによると、ラミレス氏除外の背景には、同氏が汚職容疑で逮捕されたことが除外の理由とのことだ。報道によると、ラミレス氏は、仮想通貨税規則と国の仮想通貨であるペトロ(Petro)を監督する責任を負っていた。同氏は、2020年6月に最重要指名手配リストに追加されており、ICE(米国移民税関捜査局)の国土安全保障調査部門は、同氏の逮捕につながる情報と引き換えに、500万ドル(約6億5,000万円)近くの報奨金を提示。当局は、同氏が麻薬密売事件と政治的、社会的、経済的に結びついていると主張。なお、同氏と元ベネズエラ副大統領のタレック・エル・アイサミ(El Aissami)氏も麻薬密売組織と関係があったとみられている

米国政府は、マドゥロエルベネズエラ大統領の逮捕に1,500万ドル(約19.7億円)の報奨金を提供。ラミレスの報酬は他の共謀者の中でも低く、エル・アイサミ元副大統領とその他高官は、1,000万ドル(約13億円)の懸賞金を課されている。