Binance.USによるVoyager Assetsの買収がSECの反対に直面

Binance.USによるVoyager Assetsの買収にSECが反対

Binance.USによる仮想通貨金融機関Voyager assetsを10億2,000万ドル(1,373.5億円)で買収する計画は、ニューヨークと米国連邦金融規制当局の反対にあっていることが明らかになった。

提出書類(米国証券取引委員会)は、開示説明書の最終承認と第3次修正計画の共同計画の確認に異議を唱えており、同計画は破産法の下で確認不可能であると言及している。SECは、Binance.USとVoyagerの間で提案された取引の合法性について懸念を示しており、規制機関はこの計画がVoyagerの元顧客にどのように返済することを目指しているかに関して、契約の条件が法律に抵触する可能性があると指摘している。

世界最大の仮想通貨取引所Binanceのアメリカ法人であるBinance.USは、1月にVoyagerの買収意向を表明しており、Binance.USはVoyagerの顧客口座、技術プラットフォーム、その他の資産を手に入れ、米国市場での存在感を拡大する可能性を示唆していた。しかし、SECはこの取引はニューヨーク州の金融サービス局(NYDFS)とレティシア・ジェームズ(Letitia James)司法長官からの反対にも遭ったと述べている。

反対理由はニューヨーク州の仮想通貨規制に違反か

2月22日に提出された2つの書類で、規制当局はVoyagerが同州の顧客に違法なサービスを提供し、それによってニューヨーク州の仮想通貨規制に違反していると主張。

これには、Binance.US取引プラットフォームの資産のセキュリティに関して必要な詳細を保持していなかったことも記載されており、Binance.USの関連会社などを含む第三者が、ユーザーのウォレットのキーにアクセスすることが可能な状態であったとのことだ。さらに規制当局は、Binance.USがVoyagerの資産を取得することで、違法行為を永続させ、結果として取引所がそのような違反行為から利益を得ることになると主張。

一方で、仮想通貨推進派によると、Binance.USとVoyagerの取引に対する規制当局の反対は、両社に大きな影響を与える可能性があるという。例えば、Binance.USがニューヨークで事業を拡大することを妨げることで、Voyagerが違反の疑いに対して法的責任を負うことを余儀なくされる可能性がある。また、この動きは、米国規制当局が仮想通貨規制の執行と同分野における違法行為の取り締まりにますます注力していることを浮き彫りにしている。

SECは今回の件に関して、あらゆる証拠調べにおいて、証拠を提出するすべての権利を有すると述べており、厳格な姿勢を見せている。