JPモルガン、ウェルズファーゴ、BofAが共同で新ウォレットを立ち上げ

大手企業数社が共同で新ウォレットを立ち上げ

BoA(Bank of America Corporation=バンク・オブ・アメリカ)、JPMorgan Chaseウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)など大手銀行7行が、PaypalやApple Payなど、他のサードパーティ製ウォレットプロバイダーに対抗するデジタルウォレットを立ち上げるために提携したと報じられていることが分かった。

報道によるとこのウォレットは、銀行がApple PayやPayPalに対抗しうるウォレットとして導入されるとみられており、明確なスケジュールはまだ決まっていないものの、2023年末に向けてリリースされる可能性がある。ウォールストリートジャーナルの報道によると、大手銀行は、顧客がデビットカードやクレジットカードと連動したウォレットを使って支払いが行えるように協力しているとのこと。

なお、このウォレットは、P2P口座間直接送金サービスを提供するZelleを所有・運営するフィンテック企業Early Warning Services(EWS)が管理する予定であり、EWSは金融機関、政府機関、決済会社などにリスク管理ソリューションを提供していることで知られている。

新ウォレットで銀行間の巨大なユーザーの利用を取り込める可能性

銀行間の巨大なユーザー・ネットワークにより、このウォレットは大規模な利用を呼び込む可能性を含んでいる。

これらの銀行の間には、約1億5千万枚のデビットカードとクレジットカードの巨大なネットワークがあり、ウォレットが稼働すれば、これらのカードと統合される可能性がある。また、ウォレットを通じて仮想通貨決済を可能にすることについては言及されていないものの、Apple Payとの比較も指摘されており、その可能性も十分に考えられる。

最近の動きとしては、JPモルガンがJP Morgan Walletの名称で仮想通貨ウォレットの商標登録を行っており、レポートは、銀行が仮想通貨支払処理や仮想当座預金などのサービスを提供することを示唆。資産運用会社Bernstein(バーンスタイン)のアナリストであるハルシタ・ラワット(Harshita Rawat)氏は次のように述べている。

大手銀行はおそらくPaypalを羨ましく思っているでしょう。規模を拡大するためには、非常に長い時間、優れた顧客体験を提供する必要があり、決済における両面ネットワーク効果を構築するための魅力的な加盟店の価値提案が必要です。

一方で、2022年初頭、AppleはApply Payのユーザーが仮想通貨で取引できるように取り組んでいることを明かしており、他の決済サービスプロバイダーの中で、サードパーティの仮想通貨決済ウォレットがサービスに統合することを許可すると述べている。これは、決済プラットフォームPayPalの他に、Visa、Mastercardなどが計画している仮想通貨決済の統合に追加されるものであり、2022年11月にUSDコイン(USDCoin/USDC)の背後にある企業のサークルは、Apple Payを通じて特定の企業への支払いを提供し始めている。