Binanceがサクラエクスチェンジビットコインを買収
仮想通貨取引所Binanceは、非公開金額で日本の仮想通貨取引所である株式会社サクラエクスチェンジビットコイン(Sakura Exchange BitCoin=SEBC)の買収を発表した事が分かった。
世界最大の仮想通貨取引所であるBinanceは、日本への再参入により、アジアでの事業を拡大しており、同取引所は、金融庁によって規制されている国内仮想通貨取引所であるSEBCを買収したとのことだ。今回の買収はBinanceが日本市場への正式参入を準備しているという報告が表面化したわずか数カ月後に行われたものであり、Binanceは、約4年前に日本から撤退した後、日本での営業許可を求めていた。
日本への最進出と買収で過度な規制圧力を取り除く
金融庁が2021年夏、Binanceは日本で事業を行うために登録されていないと警告を出しているほか、2018年3月にも同様の警告が規制当局から出され、その後、同プラットフォームの業務停止に陥っている。
この間、Binanceのジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)は、取引所がこの問題をめぐって規制当局と建設的な対話をしていると断言しており、今回の結果に至っったと考えられている。Binanceが分散型運用の性質と、多くの国にまたがる膨大なデジタルプレゼンスにより、いかに規制機関の目にさらされてきたかを考えると、今回の買収は過度な規制圧力を取り除く目的もあるとされている。Binance日本ゼネラルマネージャーの茅野剛氏は声明の中で次のように述べている。
日本市場は、今後の仮想通貨の普及に重要な役割を果たすでしょう。高度に発達したテックエコシステムを持つ世界有数の経済大国として、すでにブロックチェーンが強力に取り込まれる態勢が整っています。私たちは、規制当局と積極的に協力し、地域のユーザーのためにコンプライアンスを遵守した形で、組み合わせた取引所を発展させていきたいと考えています。
Binanceによるコンプライアンス強化
これまでBinanceは、フランス、イタリア、スペイン、バーレーン、アブダビ、ドバイ、ニュージーランド、カザフスタン、ポーランド、リトアニア、キプロスで規制上の承認または認可を取得している。
さらに、Binanceは、仮想通貨ハードウェアウォレットメーカーであるNGRAVEへの投資も発表しており、最近、別の投資ニュースがBinance USから届き、取引所は破産した仮想通貨貸し手Voyager Digitalを買収する計画も明らかになっている。
一方で、Binanceは2021年、世界中で多くの規制上の問題に見舞われ、2022年の大部分はその拡大の道を険しいものにしていたことで知られている。これを受けて、Binanceはコンプライアンスを強化するために2022年4月、FCA(金融行動監視機構)とFINRA(金融産業規制機構)の元レギュレーター、スティーブン・マクワーター(Steven McWhirter)氏とセス・レヴィ(Seth Levy)氏をそれぞれ雇い、規制義務を満たすための対策を行なっているとのことだ。