BaFinがCoinbaseに警告
ドイツの金融市場規制当局であるBaFin(ドイツ連邦金融監督庁)は、世界最大の会計事務所であるデロイト(Deloitte)による監査を受け、ドイツでの事業について仮想通貨取引所Coinbaseに警告を発した事が分かった。
規制当局は、監査でCoinbase Germany GmbHの組織構造に欠陥が見つかった後、仮想通貨取引所に「適切な」ビジネス構造を導入するよう警告したとのこと。この非難は、Coinbaseによるドイツでの事業を、KWG(Kreditwesengesetz=ドイツ銀行法)沿ったものにするためのものだという。同法第25a条は主に、適切かつ効果的なリスク管理のための規則を規定しており、事業資本が十分にあることを保証するためのものである。同法は、組織がどのように組織自体を構成し、各ポジションに適切なスキルレベルの従業員を配置するかについての内部規則の必要性を概説している。また、銀行などの金融機関は、リスクを特定、管理、報告するためのプロセスを備えている必要があると規定している。
Coinbaseは堅牢なリスク管理を報告
この非難は、Coinbase の事業が4分の3の損失を計上し、2022年第3四半期に5億4,500万ドル(約797億円)の損失を出したことを受けて発せられたとのこと。
同社のコア収益源である投機的取引は、米国連邦準備制度によって導入された一連の利上げによって大きな打撃を受けている。また、同社は2022年6月に従業員の18%を解雇。仮想通貨の冬で市場全体が厳しい中、仮想通貨市場が適切なリスク管理を実践できなかった倒産や破産した企業の影響を受けている中でのBaFin の非難は非常に痛烈である。2022年7月のブログでCoinbaseは、不適切なリスク管理が原因で3AC(Three Arrows Capital)は失敗したと説明し、次のように述べている。
特に、ここでの問題は予見可能であり、実際にはクレジット固有のものであり、本質的に仮想通貨固有のものではありません。これらの企業の多くは、長期の非流動資産とミスマッチの短期負債で過度にレバレッジされていた。
ブログによると、Coinbase は取引相手の信用リスクについてデューデリジェンス(※1)を実施し、取引相手のリスクに対するストレステストをしているほか、不測の事態に対する緩和計画も作成するとのこと。
Due=当然の、正当な+Diligence=精励、努力からくる造語で、企業の経営状況や財務状況などを調査する事。