連邦準備制度理事会はCBDCの代替FedNowが来年の夏にローンチ

FRBはCBDCの代替FedNowを2023年夏にローンチへ

FRB(Federal Reserve Board=米国連邦準備制度理事会)は、インスタント・ペイメント・サービスであるFedNowを、2023年夏までに導入すると発表したことが明らかになった。

FRBは、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の必要性を軽減できる新しい決済円滑化システム、FedNowの立ち上げ準備を進めており、FRBのラエル・ブレイナード(Lael Brainard)副議長は、FedNowサービスが2023年5月から7月の間に稼動する見込みであることを発表。さらに同副議長は、このシステムは2022年9月から技術的なテストを受けると述べた。同副議長によると、このサービスがクラウド技術で構築されているため、決済システムの耐障害性を犠牲にすることなく拡張でき、この拡張性はシステムのスループットだけでなく、地理的なカバー範囲にも適用され、遠隔地でも継続的なサービスを確保することができるとのこと。

FedNow を通じてリアルタイム決済へ

ワークショップでブレイナード副議長は、米国内の金融機関やソフトウェア・プロバイダーに対し、新サービスの開始を見据えたシステムのアップデートを呼びかけており、本格的にサービスの展開が明るみになっており、同副議長は次のように語っている。

リアルタイム決済インフラへの移行には集中的な取り組みが必要だが、移行は避けられない。今こそ、すべての主要な関係者が即時決済をサポートするために必要なリソースを割くべき時だ。

これにより、パイロット・プログラム、FedNow Explorerリソース、FedNowコミュニティ、FedNow Early Adopterワークショップなどの決済インフラの整備への取り組みが、エンゲージメントを高めると期待されている。一方で、FedNowがここまで仮想通貨業界で注目されているのは、CBDCに代わるものとして注目されているためであり、特にFRB理事のミシェル・ボウマン(Michelle Bowman)氏は8月17日(水曜日)、FedNowについてCDBCの必要性について一部で提起された問題に対処すると述べている。

さらに同副議長は、CBDCを立ち上げるには議会の承認が必要であり、設計と実施に少なくとも5年かかると指摘しており、FedNowは米国におけるCBDCの取り組みの完了に先行することはほぼ間違いないとみられている。ただし、FedNowが完全にCBDCを互換する存在になるのかという点や、CBDC開発が今後どのように行われていくかなどについては現時点では明らかになっていない。