台湾FSCがかクレジットカードを使った仮想通貨購入を禁止へ
台湾FSC(Financial Supervisory Commission=台湾金融監督管理委員会)は、仮想通貨はリスクが高く投機的な資産であると考えているため、クレジットカードを使用した仮想通貨取引は台湾で禁止されたことが明らかになった。
現地報道によると、FSCは今月初め、台湾銀行協会に書簡を送り、クレジットカード会社に対し、仮想通貨関連の支払いを促進するのを止めるよう要請したとのこと。銀行業界団体に送られた書簡の中で台湾の金融監督委員会は、クレジットカード保有者をサポートするデジタル資産プロバイダーに加盟店資格を拡大しないことを決定したとのこと。
報道によると、クレジットカード処理会社は警戒が必要で、カードはあくまで消費者の支払い手段であり、投機的な金融レバレッジ取引の高い投資・資産管理装置ではないと考えているとのことだ。
金融市場の大打撃が背景
現在、台湾で仮想通貨マーチャントをサポートしているクレジットカード発行会社は、FSCの要件に従うために3カ月の猶予が設けられており、期限後プロバイダーは、コンプライアンス監査報告書を機関に提出しなければならない。
この背景には、世界の金融市場が大きな打撃を受け、複数の著名な企業が清算し、何十億もの資金がこの業界から流出したことが関係しているとみられており、世界中の規制当局がここ数カ月でデジタル通貨法を加速させているのが現状だ。実際、台湾FSCについても、仮想通貨の極めて投機的で高リスクな性格を考慮すると、クレジットカードは仮想通貨を含む取引に利用すべきではないとの見解を示しており、オンラインギャンブル、株式、先物、オプション、およびその他の類似取引にクレジットカードを使用することを禁止している。
CBDC発行目前の台湾
台湾が仮想通貨関連の活動に対して厳しい姿勢を示したのは今回が初めてではなく、2021年4月、仮想通貨投資の高度に投機的な側面を理由に、ビットコインやその他の仮想通貨への投資に警告を発している。
台湾は2021年7月に、金融活動作業部会の指摘を受け、仮想通貨取引所に対するAML(マネーロンダリング防止)基準を改定しており、テラ(Terra)のアルゴリズムステーブルコインの崩壊により、世界中の政府が仮想通貨の監督を迅速化することを求めている。一方で、仮想通貨に対する厳しい姿勢にもかかわらず、台湾はCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の立ち上げを目前にしており、同国の中央銀行は、過去2年間CBDCの開発に取り組み、プロトタイプの小売試験もすでに完了している。