検察官は、テラフォームの親会社と共同創設者の家を強制捜査

テラ共同創設者自宅と関連会社を強制捜査へ

ソウル南部地方検察庁の捜査チームは最近、Terraform Labsの親会社を、同社の仮想通貨LunaとTerraUSDの大規模な崩壊に関する調査の一環として家宅捜索したと発表したことが明らかになった。

現地メディアの報道によると、検察はTerraform Labsの共同創設者ダニエル・シン(Daniel Shin)氏が現在社長を務める親会社の捜索と、差し押さえを実施したことを明らかにした。同氏の決済会社であるChai Corporationは、2200以上のアジアのマーチャント向けに60億ドル(約8,182億円)以上を処理しており、検察庁広報担当者によると、警察はTerraform Labsとつながりのある2企業も家宅捜索したとのこと。

シン氏とド・クォン(Do Kwon)共同設立者兼CEO(最高経営責任者)は2018年にTerraform labsを共同設立し、ブロックチェーン技術を使った決済に新たなイノベーションを導入したが、韓国の規制が技術的に大きく遅れていることが明らかになり、2人はすぐに袂を分かつことになった。

本格捜査の進展状況

Terraform Labsは、TerraUSDとLunaの投資家により、2022年5月にTerraform LabsのクォンCEOとシン共同創業者を告訴されている。

同月初めの両コインの暴落に伴う数十億ウォンの損失について詐欺容疑で捜査を受けたほか、投資家5人が2022年5月19日に2人を刑事告訴し、続く27日には76人が累積損害額が600万ドル(約8億円)以上であるとして追加告訴し、両氏を詐欺と関連した金融犯罪で訴えている。

NEXTMONEYの特集記事「TerraformLabs崩壊で7カ所の仮想通貨取引所に一斉捜査へのメス」でも報じているように、これらの事実を受けて捜査チームは、UpbitBithumbCoinoneなど現地の仮想通貨取引所7カ所と、事件関係者の自宅や事務所など計8カ所に家宅捜索を実施している。

捜査チームは2022年6月、クォン氏の記録を税務当局から確保しており、脱税の疑いで調べているほか、今回の搜索では、Terraform Labsの韓国支社とされる関連会社の社長宅や、Terraform Labsの子会社も捜索されたとのこと。捜査当局は、クォン氏がTerraUSDの崩壊を画策したかどうかを判断するため、証人尋問の前に家宅捜索で得た資料を精査することを予定しており、2022年6月、韓国検察は調査が完了するまでTerraform Labsの従業員に海外渡航を禁止課している。

これに対してシン氏は同月9日、フィナンシャル・タイムズに対し、「私とクォン氏には不正な意図はなく、姉妹コインであるルナを通じてTerraUSDのペグ維持に貢献したアルゴリズムに欠陥があることも認識していませんでした。」と語っているとのこと。