SECが元Ripple(リップル)CTOを訴えないのはなぜか

Rippleの元CTOが退職後に大量XRPを売却

Ripple Labsの共同創業者で元幹部のジェド・マカレブ(Jed McCaleb) 氏は、Ripple社を退社後よりXRPトークンの売り浴びせを続けており、売り圧力が増していることが明らかになった。

元RippleCTO(最高技術責任者)の同氏は、ここ数週間、自身のXRPトークンを大量に売却しており、7月に入ってから、同氏は5200万XRPトークン以上を売却し、毎日平均400万XRPトークンを売却している。同氏によるXRP売却は6月の最終週には売却額が急激に増加しており、4400万XRPトークン以上がこの週の間に売却されている。

約8年賭けて90億XRPを処分

SEC(米国証券取引委員会)との継続的な戦いでXRP保有者を代理するジョン・ディートン(John Deaton)弁護士は、Twitterで次のような疑問を投げかけている。

日本語訳:
XRPトークン自体はRipple付きの投資契約であり、Ripple自体が充実しているというSECの主張を支持する人々にとって。なぜSECは共同創設者が(訴訟以来)Rippleが不当利得の2倍以上の金額でXRPを売り続けることを許可するのでしょうか?

なぜSECは同氏が、SECが言う“未登録証券”であるXRPを公開市場で販売したことを訴えないのかとの疑問を投げかけている。

実際、SECは、Ripple社が販売していなくても、XRPは未登録証券に該当するという立場を維持しているため、同氏の売却は“未登録証券の売却”に当たるという見方もある。同氏は現在約1,800万XRPを保有していると見られており、今回の戦略的な売却により、同社の共同創業者は約8年2カ月かけてようやく90億XRPを処分したことになり、他のどの取引所よりも多くのXRPを売却している。なお、同氏の売却についてはJed Balanceで直近30日間の売却が確認できる。

マカレブ氏によるXRPの大量売却は新たな火種になる可能性

現在進行中の法廷闘争において被告のRipple社は、SECが専門家報告の中で極端な立場をとっていると非難しており、同社はアナリサ・トレス(Analisa Torres)地裁判事に提出した書簡の中で懸念を表明している。

書簡の中でSECは、同側が7月12日に専門家の報告書や証言、氏名や身分に言及したものを公に提出することは保護命令の違反になると主張。そのためSECは、嫌がらせや生命への脅威を理由に、ある専門家の情報を封印するよう要求しており、他の3人の専門家にも同じ要求を適用し、SECは合計で5人の専門家の名前と報告書の内容を公開しないよう要求している。

市場側でのXRP価格は、過去90日間で54%下落しており、7月13日16時半時点でのCoinMarketCap調べによるXRP価格は、1XRP=43.33円(0.3162ドル)、前日同時刻比1.21%、1週間で2.21%の上昇となっており、時価総額は2兆948億円となっている。

Ripple社とSECの法廷闘争が長きにわたり続く中での同氏のXRPの売却は、新たな火種になる可能性が懸念されている。