グレースケールがSECとETF承認について会談
CNBCによると、世界最大のデジタル資産運用会社であるグレースケール・インベストメンツは、SEC(米証券取引委員会)と会談を行ったことが明らかになった。
報道によると、グレースケール・インベストメンツとSECの協議は、旗艦ファンドのETF(仮想通貨上場投資信託)化を承認するよう監視当局を説得するためのものであったとのこと。というのも、CNBCが入手した24ページのプレゼンテーションによると、同社がNYSE(New York Stock Exchange=ニューヨーク証券取引所)上場のETFに転換することで、投資家に最大80億ドル(約1兆305億円)の価値を提供することができるとのこと。
ビットコイン先物ETFよりリスクは低い
グレイスケールは、ビットコインスポットETFは、ビットコイン先物ETFよりリスク少なく、スポットと先物の両市場は構成銘柄が大きく重なり、価格が緊密に相関していることから、同じ値動きを行うとされている。
同社によると、GBTCは85万以上の米国口座を所有し、世界のビットコインのおよそ3.4%を保有。ファンドの資産は、最近の仮想通貨価格の下落にもかかわらず、201億ドル(約2兆5,893億円)にも上る。実際、キャッシー・ウッド(Cathie Wood)氏のArk Investのような企業が、ビットコインの価格エクスポージャーを得るために利用しており、GBTC(グレースケールビットコイントラスト)は、その基礎となるビットコインの保有量に対して25%のディスカウントで取引されており、同社は次のように述べている。
SECはビットコイン先物ETFを承認し、ビットコインスポットETFを否定することで発行者を差別しています。スポットビットコインETFは、両方の市場がビットコインの基礎価格に影響され、密接に互いに追跡するので、先物ベースのETFよりも危険ではありません。
一方で、同社は北米だけでなく、ヨーロッパへの進出を計画しており、大手メディアのFinancial Timesによると、この計画を具体化するために、ファンドマネージャーとパートナー候補の間で一連の会議が開かれていると報じられており、マイケル・ゾンネンシャイン(Michael Sonnenshein)CEO(最高経営責任者)は次のように語っている。
われわれは、グレイスケールがヨーロッパの投資家にアクセス性を提供するために、何が最善の方法であるかを模索しており、異なる組織や異なるパートナーと会い、いくつかの調査を行っています。
同社は長年の間、スポットETFへの転換を許可するよう委員会に圧力をかけ続けており、すでに投資家に対して、SECの申請を支持するよう3,000通以上の手紙を送るなど、積極的にに働きかけている。