バイナンスは、ロシアの制裁違反の可能性について調査に直面

バイナンスはロシアへの制裁違反の可能性で調査に直面

DOJ(米国司法省)は、ロシアの制裁違反の可能性に関連し、仮想通貨取引所バイナンス(Binance)を調査していることが明らかになった。

2023年5月5日の報道によるとDOJは、バイナンスがロシアに拠点を置く顧客に取引所へのアクセスを許可したかどうかを調査。これは、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、米国がロシアに課した制裁に違反することになり、DOJの国家安全保障部門が主導し、世界の規制当局は一貫して、仮想通貨取引所に対するより厳しい管理・規制を提唱している。より厳しい規制は、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金調達などの活動を抑制するのに役立つとされており、厳しい調査に直面している。

バイナンスは国際的な金融制裁の遵守を主張

DOJによる措置は、バイナンスに対する最新の措置であり、同取引所に対するIRS(米国内国歳入庁)との2021年の共同調査に続き、SEC(米国証券取引委員会)からも調査を受けている。

また、同社とBinanceの創業者であるジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)が設立した2つの事業体との関係を調査。この件についてバイナンスの広報担当者は、同社はすべての米国および国際的な金融制裁を遵守していると述べている。さらに、2023年3月にCFTC(商品先物取引委員会)から提訴されており、CFTCは、バイナンスが連邦法に反し、米国で未登録の仮想通貨デリバティブ商品を故意に提供したと主張している。

実際、2023年5月にイスラエルは、既知のテロリスト集団と関係のある約190のバイナンスかんに関連したアカウントを押収している。しかし、イスラエルとバイナンスのいずれも協力に関する詳細を明らかにしておらず、イスラエルの現地法を遵守する義務がないため、イスラエル側がどのようにアカウントを押収したかは不明である。

これに対してバイナンスは、仮想通貨空間で最大のコンプライアンスチームを編成し、完全なコンプライアンスを確保していると述べ、同社に対する疑惑に反発。バイナンスのコンプライアンス責任者であるティグラン・ガンバリヤン(Tigran Gambaryan)氏によると、同取引所のコンプライアンスチームは毎週1,300件以上の法執行機関の問い合わせに対応し、北朝鮮人を取引所から排除する方法を発見したと主張している。

バイナンスは世界中の規制当局とのトラブルを抱える

バイナンスは、イスラエル当局による口座の差し押さえとは別に、世界中の規制当局とトラブルに直面している。

その証拠に、4月にASIC(オーストラリア証券投資委員会)は、2022年からオーストラリアでの運営を認めていたバイナンスのデリバティブ・ライセンスを取り消している。さらに、ドバイのVARA(仮想規制庁)もバイナンスに対し、取引所の監査手続き、ガバナンス、所有形態に関連する追加情報の提出を求めている。なお、バイナンスはブラジル当局の調査対象にもなっており、当局は同取引所に対する公式調査の開始を確認。しかし、ブラジル当局は、同取引所に仮想通貨デリバティブの販売停止を指示した停止命令に応じなかったと主張している。