米・ワシントン州はブロックチェーン採用法案を承認
米・ワシントン州は、さまざまな分野でのブロックチェーン技術の採用を拡大することを目的とした法案を承認したことが明らかになった。
報道によると、ジェイ・インスリー(Jay Inslee)ワシントン州知事が法案に署名(※Engrossed Substitute SenateBill5544)したことにより、ワシントン・ブロックチェーン・ワークグループの結成が認められ、今後、この技術の可能性を検証していくとのこと。
また、同ワークグループは、主要ステークホルダーである議会、金融機関、業界団体の代表者で構成される予定で、ヘルスケア、高等教育銀行、金融サービスなど幅広い分野からも人材を集め、ブロックチェーン技術がどのような意味を持つかを検討するとのこと。さらに、同ワークグループは、2022年12月1日までに設立総会を開催し、その後、2023年12月1日までに知事に検討報告書を提出する予定とのこと。今法案を最初に提案した共和党のシャロン・ブラウン(Sharon Brown)上院議員は次のようにコメントしている。
この新法は、新しいビジネスの展望を歓迎するとともに新しいアプリケーションを模索し、サプライチェーン管理とSTEM(科学・技術・工学・数学)教育の潜在的な機会を提供する環境を作るための重要な第一歩です。
同上院議員は、ワシントンブロックチェーンワークグループの設立について、同州が住民の福祉のためにブロックチェーン技術を活用する準備ができていることを示すものであるとの見解を示している。
長い年月をかけて調整された採用法案
今回承認された法案は、2019年に上院で初めて提案されたものの、2020年4月に知事によって拒否権が発動され、実現には至らず、州議会はさらに2年近くかけて調整をしてきている。
ワシントン州は、米国で新たに仮想通貨やブロックチェーンの採用を促進する州に名乗りをあげ、CNBCによるとニューヨークだけでビットコインハッシュレートの19.9%を生成しており、ケンタッキー州とジョージア州はそれぞれ18.7%と17.3%の数値を記録している。
一方で、WTIA(Washington Technology Industry Association=NPO法人ワシントン技術産業協会)は同法案への署名を支援しており、WTIA代表はこの法律について、ワシントンのブロックチェーン分野を成長させるための重要かつ基礎的なステップであるとの見解を示している。実際、法制化プロセスを通じて法案を支持した重要な組織の1つとしてWTIAは、作業部会の目標としてイノベーションと消費者保護の2つの目標を可能にする、強力で透明な規制の枠組みを作るとのこと。