Elliptic、ロシア人系の1500万を超えるアドレスを明らかに

Ellipticが違法な仮想通貨ウォレットを発見

ブロックチェーンセキュリティ企業のElliptic(エリプティック)は3月14日(月曜日)、法執行機関と協力して、制裁対象の個人または企業体に関連付けられた仮想通貨ウォレットの存在を公表した事がわかった。

Ellipticの共同創設者であるトム・ロビンソン(Tom Robinson)氏は、ロシアでの違法行為に関連する1,500万を超えるデジタルウォレットアドレスと、制裁対象のロシア人およびその共犯者に関連するウォレットに、数百万ドルの巨額仮想通貨が保有されている事を明らかにした。この発見は、欧米政府がウクライナ侵攻に対して課している制裁に直面するロシアの新興財閥(オリガルヒ)が、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、テザー(Tether/USDT)、およびその他、秘匿性の高いプライバシー強化コインを利用し、経済制裁を回避する可能性への調査の一環で見つかったとのこと。

G7対ロシア

米国、EU(ヨーロッパ)連合、英国、日本を含む7カ国のグループ「G7 (※1)」は先週、ロシアに対する制裁が特に仮想通貨に適用されることを示す宣言を発表し、ブルームバーグとのインタビューで、ロビンソン氏は次のように述べている。

仮想通貨は制裁回避のために使用できます。(現在)論争しているのはその規模で、オリガルヒが彼らのすべての富を仮想通貨に移すことによって制裁を完全に回避できることは信じがたいことです。

G7(Group of Seven)とは…
日本、米国、ドイツ、英国、フランス、イタリア、カナダで構成されている政府間組織の事。

ルーブルを使用した仮想通貨取引きプラットフォーム

Ellipticは、匿名ユーザーがロシアの通貨であるルーブルを使用して仮想通貨取引きできるようにしていた400を超える仮想通貨取引きプラットフォームを発見しており、ロビンソン氏は次のように語っている。

仮想通貨は非常に追跡可能で、制裁を回避するために使用される可能性がありますが、これは特効薬ではありません。

日本語訳:
ロシアのピアツーピアビットコイン交換量は、制裁と資本規制が施行されるにつれて、侵入後に3倍になりました

同氏は、公開されたサービスの一部でのルーブル関連の資金移動活動は、ロシアによるウクライナへの攻撃の前週に大幅に増加していたことを明らかにした。

匿名化されたイーサリアム(Ethereum)およびERC-20トランザクションのプロバイダーであるTornado Cash(トルネードキャッシュ)は、サービスの制限または罰金を拒否した一つである。

米国の政府活動研究所であるBrookings(ブルッキングス)は、規制当局は追跡をより困難にする匿名化機能のため、モネロ(Monero/XMR)やジーキャッシュ(Zcash/ZEC)などのプライバシーコインについて、もっと心配する必要があると指摘している。

危機下での仮想通貨の重要な役割

ウクライナ当局からの要請後も、Coinbase GlobalKrakenなど、米国内の主要仮想通貨取引所は、課された制裁に従うことに同意したものの、ロシアに拠点を置くすべてのユーザーをブロックする意図は今のところない。

ウクライナ人とロシアの一般市民は、自国の銀行と支払いシステムが紛争の影響を受けたため、仮想通貨に目を向けている。また、ウクライナでは、NEXTMONEYの特集記事「ウクライナがついにビットコインなどの仮想通貨を合法化へ」、「ウクライナ政府による訴えを受け、1,300万ドル以上の仮想通貨が寄付される」などで報じているように、防衛策を強化するために数百万ドル規模の仮想通貨調達に成功している。

ウクライナがついにビットコインなどの仮想通貨を合法化へ

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