火の鳥とブラック・ジャックがNFTに
NFT(非代替性トークン)およびブロックチェーンゲーム専業開発会社であるdouble jump.tokyoは、自社NFT事業支援サービス「NFTPLUS」を通じて、株式会社手塚プロダクション初の公式NFTプロジェクト「From the Fragments of Tezuka Osamu(手塚治虫のかけらたちより)」をリリースすることが1月17日(月曜日)に発表された。
NFTプロジェクトのシリーズ第2弾として「火の鳥」とシリーズ第3弾「ブラック・ジャック」のデジタルアートNFTの販売を2022年1月24日(月曜日)から開始する。2021年12月に第1弾として「鉄腕アトム」のモザイクアートNFTを発売し、マーケットプレイスOpenSeaで120イーサリアム(ETH、約5,300万円)で落札されている。また、定額で売り出したジェネレーティブアートNFTの1,000点も、1時間で完売したことから、今回のデジタルアートNFTのリリースが決定したようだ。
ジェネレーティブアートNFTとは、モザイクアートNFTで使用した画像素材をもとにランダム生成されたアート作品であり、手塚治虫作品の代表的なシーンのNFTがリリースされている。実際、手塚治虫氏が残した膨大な数の作品のほとんどは白黒で、カラー原画は全体の5%程しか存在しないため。単行本未収録の雑誌連載時の扉絵や入手困難なレア画で構成されている。
NFTとはNon-Fungible Tokenの略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンであり、ブロックチェーンゲームのみならず、高額アート作品の所有権証明や、二次流通市場におけるクリエイターへの画期的な還元手段としても注目を集めている。
今回のNFTプロジェクトシリーズの売上金の一部は、ユニセフや児童福祉に関係する組織に寄付され、純売上の20%を新型コロナウイルスのパンデミックに苦しむ世界の子供たちのためのチャリティーに利用される。手塚治虫氏は晩年、青年誌での大河作品が順調な時も、漫画は子供のものであるとの思いから少年誌への執筆を続けた経緯があり、パンデミックの世界において子供たちのために資金を利用することを決定したという。また、発表によるとFrom the Fragments of Tezuka Osamuの展開は今回で一度終了する予定であり、現時点では、以降のシリーズ展開の予定はないとされている。
一方で、手塚治虫作品の著作権管理とアニメーション制作を主業務とする「手塚プロダクション」は2019年12月に、double jump.tokyo株式会社が運営する国内ブロックチェーンゲームであるMy Crypto Heroesともコラボを行っている。その際にはMy Crypto Heroes内に、手塚治虫氏の人気キャラクターである鉄腕アトム、ブッダ、猿田彦、火の鳥などがNFTとして登場している。手塚治虫氏の作品には同氏の没後20年以上が経過した今でも熱烈なファンも多く、今後リリースされる人気作品のデジタルアートNFTには大きな注目が集まっている。