フランス規制当局:パリ本社設置前にBinanceにAMLコンプライアンス改善を要求

Binance本社設置候補地にフランスが浮上

フランスの規制当局の改善要求によって、大手仮想通貨取引所のBinanceが、フランスに新しい本拠地を設置する可能性が浮上した。

Binanceでは、当NEXTMONEYの11月24日付け特集記事「大手仮想通貨取引所Binanceがアイルランドにグローバル本社を設立か」で報じているように、先日アイルランドにグローバル本部(本社)を設置する可能性が報じられていた。Binanceの本社設置報道は、現段階では候補地が上がっているのみで、正式に発表はされておらず、今回、新たにフランスを候補地として挙げている事が海外の複数メディアによって報じられた形である。

フランスの規制当局がBinance本社設置に物言い

Binanceの本社候補地に挙がったフランスの金融規制当局であるAMF(AutoritédesMarchésFinanciers=フランス金融市場局)は、パリに地域ハブを設立するため、Binance はマネーロンダリング防止コンプライアンスを強化および保証する必要があると発表した。

221年11月初め、Binanceのジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao:趙長鵬)CEOは、フランスの首都に本部を配置するのは「自然な選択」と説明。ジャオCEOが語っているように、本来は「本社も国境もない」分散型プラットフォームとして誕生した同取引所だが、現在は構造を変更し、本社設置場所を探している。しかし、同社は世界の規制当局といくつかの問題を抱えており、それが障害となる可能性がある。

現在、フランスは、Binanceがローカルウォッチドッグに問題を抱えていないため、Binanceがグローバル本社を設立できる適切なオプションの1つとみられる。大手メディアのロイターの報道によると、パリに定住することは、地元の監視人がBinanceがAMLコンプライアンスの取り組みを強化する必要があると主張しているため、それほど簡単な動きではないことが容易にわかる。フランス中央銀行のフランソワ・ビルロイ・デ・ガルハウ(Francois Villeroy de Galhau)総裁は次のように語っている。

これはパリ市場の革新的なダイナミズムの表れですが、明らかに信頼と信頼が保証されているかどうかにかかっています。これが、ACPR(Autorité de contrôle prudentiel de résolution=フランスの銀行監督機関)とAMF(金融市場当局)の行動、特にマネーロンダリング資金洗浄(防止の重要な問題を導くものです。

数日前、ジャオCEOはマスコミに対し、Binanceは6~12か月以内にAMFから規制の青信号を取得することを望んでいると語り、3,500人のBinanceの従業員のうち600人が、コンプライアンスとさまざまな規制当局との関係に責任がある述べている。

Binanceがフランスのフィンテック企業とパートナーシップを提携

11月の初めに、Binanceと非営利団体であるFrance FinTechが協力し、ヨーロッパで1億ユーロ(約128億円)のブロックチェーンプロジェクトを作成した。

この時の主な目標は、フランスおよびその他のヨーロッパのデジタル資産産業の発展を支援することであり、同プロジェクトは「ObjectiveMoon(客観的な月)」という名前で呼ばれており、当時、ジャオCEOはこの動きがフランスを仮想通貨分野でトップの座に変える可能性があると予測し、次のように語っている。

Binanceでは、フランスとヨーロッパの技術、仮想通貨、ブロックチェーンの才能の質を認識しており、Binanceの主要な事業の立ち上げとフランスへの投資により、ブロックチェーンと仮想通貨業界でフランスとヨーロッパを世界をリードするプレーヤーにすることに大きく貢献できると確信しています。


もう一つの候補地アイルランドは

冒頭でも触れたように、Binanceの新しい故郷になる可能性のあるもう1つの国がアイルランドだ。

2021年初め、同取引所は、Binance(APAC)Holdings、Binance(Services)Holdings、およびBinanceTechnologiesの3つの会社を設立。さらに、Binance Exchange(Ie)という名前の4つ目の会社を設立しており、この国での将来の本社設置を示唆し、アイルランドが候補地に該当するかどうかを尋ねられた同CEOは、そうであると認めている。

大手仮想通貨取引所Binanceがアイルランドにグローバル本社を設立か

2021.11.24