Binance全ユーザー対象:新KYC/AML要件に満たしていないユーザーにサービス制限へ

Binanceが前ユーザー対象の新KYC要件実施へ

世界最大クラスの仮想通貨取引所Binanceが、新KYC/AML要件(Know Your Customer/Anti-Money Laundering==本人確認手続き/アンチマネーロンダリング)要件に準拠していない限り、サービスを制限することが発表された。

Binanceは、規制当局によるライセンス未取得でビジネスを運営しているとの警告を受けており、現在複数国の規制当局による警告を受け、サービス提供の中止・停止を余儀なくされている。Binance側も各規制当局の規制基準に遵守するべく、NEXTMONEYの特集記事「Binanceが規制遵守強化のために元米国財務省の犯罪捜査官を新たに採用」で報じたように、元米国財務省の犯罪捜査官であるグレッグ・モナハン(Greg Monahan)氏を新グローバルマネーロンダリングレポーティングオフィサー に任命し、改革に乗り出している。

同取引所で進行中の改善策として、プラットフォーム上のすべてのユーザーを対象とする新KYC(Know Your Customer)要件を公表し、声明の中で次のように述べた。

すぐに発効し、すべての新規ユーザーは、仮想通貨の預金、取引、引き出しなど、Binanceの製品やサービスにアクセスするために中間検証を完了する必要があります。


新KYC要件を満たさないユーザーの取引制限に着手

これまでBinanceでは検証なしで仮想通貨取引が許可されていた既存のユーザーは、「引き出し、注文のキャンセル、ポジションのクローズ、および償還」のみ処理することが許可される。

同取引所による既存ユーザーに対する新ポリシーの変更は、ユーザーの取引制限を最小限に抑えるため、段階的に展開されるものの、KYCについては即時対象となり、要件を満たすことで制限該当ユーザーはBinance製品とサービスに完全アクセスできるようになる。今回同取引所が求める要件として、本人確認を徹底する構えで、パスポート、IDカード、運転免許証などの公的な身分を証明するものを「身分証明書」として同取引所へ提出する必要があり、同社は次のように述べている。

Binanceは、検証プロセスの遅延やアクセスの制限を回避するために、中間検証を迅速に完了することをユーザーに強くお勧めします。

なお、新KYC要件手続きについては、2021年10月19日9時00分までとされており、手続きが完了し、Binanceによる確認が取れ次第、制限が解除となり、通常サービスの利用再開となる。