FinCENが最高デジタル通貨アドバイザーを採用
FinCEN(米国財務省の金融犯罪取締ネットワーク部局)は、元米国司法省のミシェル・コーバー(Michele Korver)氏を、政府機関初の最高デジタル通貨アドバイザーとして採用したことを7月6日(月曜日)に発表した。
コーバー氏は以前、司法省刑事部門のデジタル通貨カウンセルを務めていた経歴を有しており、仮想通貨投資家からの認知度も高く、財務省の金融安定監視委員会に助言し、仮想通貨の差し押さえと没収に関するポリシーを策定したことでも知られている。また、同氏は米国連邦検事局で弁護士補佐として10年間務めた経験もあり、任務の中でサイバー犯罪と国家安全保障違反を取り締まってきたほか、2013年以来、国土安全保障省および民間テクノロジー企業との間で、仮想通貨に焦点を当てたマネーロンダリング防止業務にも関与してきた経験があり、同氏は次のように語っている。
違法な金融慣行と搾取を防止および軽減するための戦略的かつ革新的なソリューションに向けて、社内外のパートナーと協力することにより、デジタル通貨分野におけるFinCENのリーダーシップの役割を推進するために尽力します。
一方、FinCENの代理ディレクターであるマイケル・モシヤー(Michael Mosier)氏はコーバー氏の最高デジタル通貨アドバイザー就任について、次のようにコメントしている。
ミシェルは豊富なデジタル通貨の専門知識をもたらし、違法な金融リスクを最小限に抑えながら、機会の金融拡大の革新的な可能性へのFinCENの貢献を最大化するための協調的な取り組みにおいて大きなリーダーとなるでしょう。
FinCENは、マネーロンダリングとの継続的な戦いにおいて、2021年7月初旬に仮想通貨取引の監視が、テロ対策資金調達とマネーロンダリング防止の最優先事項の1つになると発表している。つまり、FinCEN当局は、ホストされていない仮想通貨ウォレットにも狙いを定めており、AML(アンチ・マネーロンダリング)およびCTF(テロ資金供与対策)のリスクを高める可能性があると懸念している。
実際、仮想通貨の違法な使用に関する懸念が最近話題になっており、ジョー・バイデン(Joe Biden)米国大統領が最新のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)サミットでこの問題について議論することを強調していることや、仮想通貨の人気が高まるにつれ、サイバー犯罪の話が増えており、米国政府がこの問題を解決しようとしていることは明らかだ。