英国司法管轄タスクフォース、ブロックチェーンと暗号法の紛争関連ルール公開

英国司法管轄タスクフォースが文書公開

LawtechUK の英国司法管轄タスクフォースが、デジタル紛争解決ルールを公開し、ブロックチェーンおよび暗号法の法的紛争に対するより迅速で費用効果の高い解決を可能にした事が分かった。
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政府が支援する英国司法管轄タスクフォース(UKJT)の15ページに渡る文書には新たな規制が記載されており、法的不確実性に対処し、紛争の迅速な解決を目指して公開された。ブロックチェーン、仮想通貨、スマートコントラクトなどのデジタルテクノロジーの採用に対する企業の信頼を高めることを目的としている。法案のリリースは、2019年11月の英国およびウェールズ法に基づく仮想通貨資産およびスマートコントラクトのステータスに関するUKJTの法的声明の発表に続くものである。公開された文書によると、規則は自動的には適用されず、紛争が発生する前または発生した時点で、関係者が書面で同意する必要があるとのこと。

この規則の注目すべき特徴の1つは、当事者が法廷の裁判官ではなく仲裁人によって紛争を解決できることだが、規則に沿うことで、より時間と費用のかかるプロセスになる可能性もある。また、未開発技術に適応するため、最大限の柔軟性を提供かつ適切な技術的専門知識を持ち、決定のチェーン上の実装を可能にする仲裁人によって迅速かつ効率的に紛争を解決するために起草されている。

UKJTは、今後1年以内にさらなる開発または改訂が必要かどうかを検討することを目的とし、デジタル紛争解決規則がどのように使用されるかを注意深く監視していくとして、英国管轄タスクフォースの議長であり、LawtechUKパネルメンバーである記録長官のジェフリー・フォス卿は次のように語っている。

画期的なデジタル紛争解決規則の英国管轄タスクフォースによる出版を歓迎することを嬉しく思います。


成長市場には規制が必要

仮想通貨市場におけるテクノロジーのビジネス使用は、近年急速に人気が高まっており、JPモルガンなどの企業は現在スマートコントラクトが利用されている。

スマートコントラクトのビジネス上のメリットには、セキュリティの強化とコスト削減が含まれており、スマートコントラクト市場は2026年までに3億4,540万ドル(約372億円)に達すると予測されている。ただし、これらテクノロジーに関連する法的紛争を解決する方法に一貫性がなく、より長く、よりコストのかかるプロセスにつながる。