ルイ・ヴィトン、カルティエ、プラダが共同で信頼性を確保へ
世界最大のラグジュアリーファッション業界大手企業体のLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)、ジュエリー、時計、ファッションブランドのRichemont(リシュモン)傘下のカルティエ(Cartier)、Prada SpA(プラダ)が協力し、購入する商品の信頼性をさらに高めることを求める顧客にブロックチェーンソリューションを提供して行くことが分かった。
世界最大のラグジュアリーブランドとの提携により、ブロックチェーン対応のソリューションをすべての高級ブランドが利用できるようにし、顧客が購入する商品が本物であるという保証を提供することを計画している事を4月20日(火曜日)に発表。製品を透過的に追跡できるようになる。
LVMH「Introducing Aura Blockchain Consortium」より画像引用
透明性とトレーサビリティ提供するオーラブロックチェーン
LVMHはプラダ、カルティエ、リシュモンの一部と協力し、世界初のグローバル高級ブロックチェーンであるオーラブロックチェーン(Aura Blockchain)コンソーシアム(共同体)を開発し、20日の発表となった。
信頼性、責任ある調達、持続可能性に関する情報を安全なデジタル形式で伝達するという共通の課題に対する単一の革新的なソリューションを表しているオーラブロックチェーンは、製品のライフサイクル全体を通じて消費者に高レベルの透明性とトレーサビリティを提供することを目的・使命として立ち上げられている。
ブロックチェーン技術は、トランザクションを認証するためのデジタル方法で、暗号化された保証証明書を提供することによって、消費者は製品が偽造品であるかどうかを知ることを可能にする。オーラブロックチェーンの最先端のテクノロジーは、製品IDをクライアントIDと照合し、安全で再現不可能なデジタルブロックのチェーンを通じて、消費者が製品の履歴にアクセスできるようにするインフラストラクチャーを提供。これによって得られる情報には、原材料からPOSまで、さらにはバリューチェーンのすべてのステップでの信頼性の証明が得られる。消費者は、サードパーティによる検証を必要とせず、信頼できるデータを使用して製品のライフサイクル全体を追跡できるという。
偽造品によって受ける被害は年間数十億ドル
高級ブランドは現在、偽造品によって危機に瀕している。
現在の偽造品による損失は年間数十億ドル相当、日本円で1,000億円は下らないと言いわれている。調査会社FrontierEconomicsによると、偽造品の世界貿易は2022年までに991億ドル(約10兆7,000億円)に膨れ上がり、2013年のほぼ2倍にまで膨れ上がっている。
カルティエのシリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)CEO(最高経営責任者)によると、オーラブロックチェーンはまだ若いテクノロジーであるため、進化する可能性が高いとのこと。カルティエはすでにオンライン商品返品で機能テストも実施しており、買い物客は写真を撮ってブロックチェーンにアップロードし、返品した商品の状態が商品を受け取った瞬間から変更されていないことを証明できるとして、次のように語っている。
単純なことですが、二者間の信頼が強化されることを意味します。例えば、オークションハウスが美術品を販売する際にこのような製品を使用することに興味があるかもしれない。