今後3年でCBDCを発行する可能性をBISが調査
BIS(国際決済銀行)は、CBDC(Central Bank Digital Currency=中央銀行発行デジタル通貨)開発に関する最新調査で、世界人口の約5分の1を占める中央銀行が「今後3年間で汎用CBDC」を導入する可能性があると明らかにした。
BISの最新レポートによると、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、世界中の国々がブロックチェーンテクノロジーを活用しようとしていることもあり、エンゲージメントの高度な段階に入っているとしている。現段階で各国の中央銀行の86%が積極的にCBDCを調査しており、近い将来、大多数の中央銀行がデジタル通貨を発行する可能性があると報告した。
実際、中央銀行の約60%がデジタル通貨を実験しており、14%が開発およびパイロットプログラムを進めている段階であることもわかっている。BISレポート製作者であるアンドレアス・ウェーリ(Andreas Wherli)氏は次のように述べた。
世界中で、CBDCへの関心は地域の状況によって形作られており、中央銀行が比較的強い動機を報告している新興市場と発展途上経済では、金融包摂と支払い効率のためにCBDC開発を推進しています。
さらに、同レポートでは、適切に設計され、広く採用されれば、CBDCは、特定のユースケースや市場の失敗に対処する補完的な支払い手段になる可能性がある。支払い、金融、商取引全般における継続的なイノベーションと競争の触媒として機能する可能性CBDCにはあると記載されている。
現在、米国連邦準備制度は、CBDCを積極的に研究している金融当局の1つであり、連邦準備制度のエコノミストは、デジタルドルの本質的な価値を調査している。その一方で、CBDCが適切に機能する支払いの基礎として確立するためには、現在整備されていない法の整備が重要な問題になってくるため、CBDCの広範な展開はまだ実現していない。
BISは現在、CBDC決済プラットフォームへの取り組みを開始しており、初期段階の試験は2021年の後半にも開始される予定とのことだ。