イーサリアム、平均取引手数料が約2倍に

イーサリアム、平均取引手数料が約2倍に

イーサリアムの取引量が急増する中、イーサリアムネットワークの平均取引手数料が、約2倍に増加していることが分かった。

YChartsのデータによると、イーサリアムのネットワーク料金は最近上昇を続けており、トランザクションあたりの平均値は$ 17.43に達している。これはイーサリアム平均手数料の推移において、過去最高の価格であり、9月の分散型金融(DeFi)ブームにおける12.54ドルを上回っている。

YChartsより画像引用

今週初めの平均取引手数料は、約10.20ドルであったことを考えると、ここ最近急激にネットワーク手数料が上昇したことが見て取れる。これらのネットワーク手数料上昇の背景には、DeFiプラットフォームのイールドファーミングに関連するETHや、ステーブルコインの送金がトランザクションに大きな負荷を与え、ETHネットワークが以前よりも積極的に利用されるようになったことが挙げられる。

イーサリアム価格上昇による影響

また、イーサリアム価格もトランザクションに大きな影響を与えており、2018年1月8日に達成した過去最高値1430ドルには及ばないものの、2020年の1年間で660%以上の上昇を記録している。さらに、米CME(シカゴ・マータンカイル取引所)によるETH先物のローンチが発表されており、2017年にCMEがBTC先物を発表した時と同様に、取引高と手数料の高騰に拍車をかけたと考えられている。

一連のイーサリアム手数料の急上昇により、NFTプロジェクトであるAavegotchiは、メインネットの立ち上げを延期を発表しており、MaticNetworkでの「L2ファースト」プロジェクトの立ち上げを検討する可能性をも示唆している。

イーサリアムに関しては、ブロックチェーンのスケーラビリティを向上させ、平均トランザクションコストを削減するために、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)へのアップグレードを主な目的としたイーサリアム2.0のリリースが今後予定されている。既にイーサリアム2.0への移行プロセスが始まっているが、アップグレードが完了するまでには数年かかることが予想されており、スケーラビリティの問題が改善するには時間が要する。