米SECジェイ・クレイトン会長が辞任
米国証券取引委員会のジェイ・クレイトン委員長が、ドナルド・トランプ大統領に辞表を提出し、辞任したことが分かった。
クレイトン氏は当初、2021年6月に辞任する予定であったが、先月16日に任期を早め、今年の終わりまでに辞任することを発表していた。クレイトン氏は委員長を務めるまで、ニューヨークの有力法律事務所で企業買収案件を取り扱う弁護士として活躍しており、SECでの三年半の任期の中で、ICO中に法律に違反したとして、未登録の証券の販売と多くの仮想通貨プロジェクトの罰金を科してきた。
今年の初めだけで、SECは罰金として多くのプロジェクトから合計46.8億ドルもの資金を受け取っている。代表的なものの中には、2019年後半にEOSブロックチェーンの40億ドルのICOを超えてSECと和解したEOSを運営母体Block.Oneや、この春に17億ドルもの資金を投資家から集めたTelegram(テレグラム)のGRAMなどが挙げられる。
その一方で、クレイトン氏はトランプ政権の方針に沿った形で規制緩和を進めたことも知られており、新規株式公開(IPO)の促進に向けて開示規制などを見直したほか、個人投資家が未公開株ファンドに出資しやすくするなどの改善を行った。
仮想通貨に対してクレイトン氏は2018年6月、ビットコインは米国法に基づく証券ではないとの判断を示しており、SECでの在職期間中この地位を維持してきたようだ。先月にもクレイトン氏は「ビットコインは証券ではなく、支払いメカニズムとプリペイドカードであると判断しています。」と述べている。
後任のSEC委員長に関しては、バイデン次期大統領からゲーリー・ゲンスラー元商品先物取引委員会委員長や、元マンハッタン連邦地検の検事正プリート・バララ氏などの名前が挙がっているとのことだが、詳細は以前わかっていない。