中国マイニング大手カナン社、2020年3Qに1200万ドルの損失報告

中国マイニング大手カナン社、2020年3Qに1200万ドルの損失報告

大手ビットコインマイナーメーカーのカナン(Canaan)社は、同期間にビットコイン価格が上昇しているにも関わらず、2020年第3四半期に1,270万ドルの純損失を報告した。

カナン社は11月30日、未監査の財務報告に関する詳細を発表し、今年の第3四半期の純売上高が、前年同期の1億ドルから75.7%減の2400万ドルとなったことを報告。これにより、カナン社は2020年第2四半期の純利益が前年比1,400万ドル、純損失が230万ドルだったのに対して、1270万ドルの純損失を被った。

またカナン社はBitmain(ビットメイン)やMicroBT(マイクロBT)などのマイニングメーカーに奪われた市場シェアをを取り戻すために、今夏により安価な毎秒290万テラハッシュ(TH / s)のマイニングマシンを販売している。これは去年発売された毎秒370万テラハッシュ(TH / s)のマイニングマシンよりも20%ほどスペックを落としたもので、ビットコインマイニング機器の大幅な値下げを行っているとみられる。

販売された290万TH /秒のマイニングマシンは、2002年第3四半期に約2,400万ドルの収益を上げているとのことで、カナン社が公開した平均価格はTH /秒あたり約8.27ドルである。これは、2019年の同時期のTH /秒あたりの平均価格が27.5ドルだったことを考えると、約70%ほど下落していることになり、マイニング難易度の変化が影響している。

2020年に入ってから、ビットコインのマイニング(採掘)に使われる計算能力を示す指標であるハッシュレートは過去最高を更新しており、マイニングの利益は大きく減少している。その中でも、米中のマイニング環境の主導権争いは一層熾烈になっており、中国は雨季に安価な電力を供給できるためこれまで優位にマイニングを進めているようだ。

それでも、個人のマイナーは報酬の採算が合わず、大きく衰退していることが明らかになっており、カナンやビットメインなど大手マイニング企業の資金力なしには成り立たなくなっているようだ。