バイナンス、フォーブス記者を名誉毀損で訴える

バイナンス、フォーブス記者を名誉毀損で訴える

仮想通貨取引所バイナンス(Binance)は、名誉を毀損される記事を公開したとして、米経済誌フォーブスと2人の記者に対して訴訟を起こした。訴訟の対象となった記事は、フォーブスのジャーナリストであるマイケル・デル・カスティロ氏とジェイソン・ブレット氏によって作成され、両者はフォーブスと並んで訴訟の対象となっている。

米国ニュージャージー州の地方裁判所に提出された文書によると、今回問題となっている「Tai Chi(太陽拳)」と呼ばれる文書は、ビットコイン規制当局を回避するためのバイナンスの精巧な計画を明かしたもので、バイナンスに関する多数の虚偽の誤解を招くような中傷的な内容が含まれていた。

記事によると、米当局認可の仮想通貨取引所BinanceUSを立ち上げる以前の2018年、バイナンス本体への規制を避ける目的で「太極実体(Tai Chi entity)」として米国拠点を設立したとしている。これに対してバイナンス側は、適用法を遵守せず、規制当局を回避しようとするという内容が、事実とは大きく異なっており、著しく名誉を毀損されたとして訴訟に至ったようだ。

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2020.10.30

また、バイナンスはフォーブス側から記事の撤回と謝罪を受けなかったため、訴訟を進めていると主張しており、補償的損害賠償と懲罰的損害賠償、および記事の削除を求めている。さらにバイナンスはリーク文書の執筆者とされるハリー・ジョウ氏という人物が、バイナンスに所属していたことも完全に否定している。

バイナンスのスポークスパーソンは、今回の訴訟について「私たちのコアバリューと自由への信念を反映したものではなく、真実と正義を保証するものです。」と述べているが、ジャーナリストに対して名誉毀損で訴えて成功するケースはこれまでにほとんどなく、訴訟に勝つには、被告が悪意を持って虚偽の記載をしたとする証拠が必要になる。