ベネズエラ、イーサリアム基盤の分散型証券取引所を設立
ベネズエラは、従来の金融資産とデジタル金融商品を扱うイーサリアム基盤の分散型証券取引所を設立することが、国の公式官報で明らかになった。この分散型証券取引所は、イーサリアムブロックチェーン上で実行されるDeFiプラットフォームであり、トレーダーはケースに応じてERC-223契約および、ERC721の形式でトークン化された従来の資産を取引できる。
ニコラス・マドゥロ大統領によって発表された分散型証券取引所は、90日間のテストを受け、規制当局が取引許可を承認するか取り消すかを決定するという。
ニコラス・マドゥロ大統領は先日、「国家開発のための制裁防止法と人権の保証」に関する政策を明らかにし、国が支援する独自通貨Petro(ペトロ)だけでなく、すべての仮想通貨の使用を促進していると述べ、分散型証券取引所を設立すること経緯に至ったという。
制裁防止法は最初の対応です。国内および外国貿易におけるペトロおよび、その他の仮想通貨に国内および世界での使用に新たな力を与え、世界のすべての仮想通貨が国の支援により民間が使用できるようにしたいと思います。
その他にも、オバマ前大統領やトランプ大統領から受けた7つの大統領令や、12を超える追加制裁によって傷つけられた金融経済を回復するためのいくつかの戦略についても解説している。というのも、ベネズエラは米国からの制裁や壊滅的な財政状態を脱し、経済的自由を促進するために、最近、分散型テクノロジーに注目しているようだ。
ベネズエラはこれまで非常に中央集権的な行政手続きの元運営されてきたが、この新しい証券取引所は現在の法的枠組みの中で可能な限り分散化されているようだ。その証拠に、すべての契約とプロトコルは公開され、監査可能であり、参加者はキーとトークンを自分で管理する必要があるとのこと。
また、投資家は分散型取引所で仮想通貨のみならず、デリバティブ商品、不動産、株式、ETF、債券などを取引できるようになるという。しかし、取り扱われる仮想通貨については人気の通貨がメインとなっており、イールドファーミングが可能なトークンや、時価総額の低い仮想通貨の取り扱いはないようだ。
ベネズエラのDeFi実験は、地政学を背景にしたブロックチェーントライアルの1つであるが、主な目的については金融活動を刺激することなのか、デジタル資産の裏口から外国投資を呼び込むことなのか明確なことはわかっていない。
記事参照:ナスダック