テザー(USDT)、OMGネットワークで正式稼働
最も有名なステーブルコインのテザー(Tether / USDT)がOMGネットワークと統合され、正式に稼働したことが発表された。
これによりテザー保有者は、トランザクション速度の向上や、イーサリアムネットワークの混雑とガス料金を削減するために構築されたOMGネットワークでの取引の利点を享受することになる。また確認時間も短縮され、支払い速度が向上、チェーン上のセキュリティを損なうことなく手数料が削減されるという。
また、仮想通貨取引所BitfinexのPaolo Ardoino CTOは、同プラットフォーム上でUSDT入出金をOMGネットワークがサポートし、トレーダーのアービトラージを促進すると説明している。今回のOMGネットワークとの統合についてテザーは、公式ブログで次のように述べた。
テザーとOMGネットワーク間の統合により、確認時間が短縮され、より高速な支払いが実現しますが、チェーン上のセキュリティを損なうことなく料金が削減されます。
またOMGネットワークのVansa Chatikavanij CEOは、「決済前にトランザクションをバッチ処理するイーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、イーサリアムの3分の1のコストで数千のトランザクションを処理できる」と述べており、既に発行されているイーサリアムよりコストも安く、トランザクション処理速度が速いことを示した。
USDTは現在、今回発表されたOMGネットワーク以外にも、Ethereum(イーサリアム)、Omni(オムニ)、Algorand(アルゴランド)、EOS(イオス)、Liquid Network(リキッドネットワーク)、Tron(トロン)のネットワークも利用されており、USDTの発行は様々なネットワークに分布している状況だ。
最近では、イーサリアムGas(ガス)が市場最高を更新し続けており、DeFi (Decentralized Finance=分散型金融)が主な要因として取引手数料が高騰している。もちろんDeFiの急激な成長だけではなく、ポンジ・スキーム(Ponzi scheme=詐欺の一種)の類も要因の一つとして考えられており、今年7月のガス料金の約5,600 ETH、総消費量の約10%を占めている。