バイナンスが独自ブロックチェーンで、仮想通貨ONTにペッグされたトークン発行

バイナンスが独自ブロックチェーンで、仮想通貨ONTにペッグされたトークン発行

仮想通貨取引所バイナンスが、独自のブロックチェーン「バイナンスチェーン」上で、仮想通貨オントロジー(ONT)とペッグした新しいトークンを発行したことを発表した。ビットコイン(BTC)やリップル(XRP)とペッグしたトークンを発行した時と同様に、運営する分散型取引所・バイナンスDEXの取引に参加するユーザーを増やし、ONTの流動性を高める狙いがあるとみられる。

ONTとペッグしたトークンは、「ONT-33」。バイナンスチェーン上で構築され、「BEP2規格」のトークンとして管理される。ブロックチェーン上で、ONTと1対1の割合で裏付けられるため、価格設定はオープンな仮想通貨市場で取引されているONTと同じになる予定だ。

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2018.11.07

また、ONT-33が、ビットコインとペッグしたBTCBなどと同じように預かっている資産を公開アドレスに蓄え、常に裏付け資産をユーザーに公開した状態で運用が行われるとみられる。仮想通貨や法定通貨とペッグしたステーブルコインは、発行主体が裏付け資産を保有しているかどうかを問われるケースがあるが、保有するONTアドレスを公開することで、いつでも裏付け資産を証明できるようにした。

ONTは、2017年にリリースされた仮想通貨。XRPと同様の処理能力を持ち、他の仮想通貨と比べて送受信で遅延が見られないほか、仮想通貨ネオ(NEO)との統合が発表されており、さらなるシェア拡大が見込まれている。バイナンスは今回、バイナンスDEXでも取引需要があったことを受けて発行を決めた。

それぞれのブロックチェーンに存在している仮想通貨の仕組み上、ONTはバイナンスDEXとの互換性がなかった。しかし、ONT-33の発行によって、「ONT保有者は分散型取引所サービスを利用できるようになる」(バイナンス)という。

バイナンスDEXは、BTCやXRP、Maticなど、これまでも複数の人気銘柄のペッグ通貨を上場してきた。特定のブロックチェーン上におけるステーブルコインの発行形態は、メジャー通貨に限らず、他の仮想通貨にも応用しやすいため、今後もバイナンスチェーン上で構築されるペッグ通貨は増えるだろう。