分散型金融(DiFi)のMaker財団、2750万ドルのMKRトークンをVCに売却/アジア市場に分散型金融を拡大

分散型金融(DiFi)のMaker財団、2750万ドルのMKRトークンをVCに売却/アジア市場に分散型金融を拡大

分散型金融(DeFi)プロジェクト「MakerDAO」を運営するMaker財団が、ベンチャーキャピタル基金のドラゴンフライ・キャピタルパートナーとパラダイムに2750万ドル相当のMKR(メーカーダオのユーティリティトークン)を売却した。売却額は、MKRの総供給量の約5.5%に当たる。

発表によると、両財団はMKRトークンホルダーとして、MakerDAOの分散型ガバナンスに積極的に参加する計画。両財団の積極参入によって、イーサリアムブロックチェーン上に構築された分散型ステーブルコインのアジアにおける普及を支援する。さらに、Maker財団は、両財団の専門知識にアクセスできるようになり、アジア全体で分散型金融の存在感を高める狙いだ。

ドラゴンフライ・キャピタルのマネージングパートナーであるアレクサンダー・バック氏は、今回のMKRを取得の意義を次のように語っている。

MakerDAOは、DAIが分散型金融の主要な安定コインとなったため、仮想通貨で主要な分散型金融(DeFi)製品を開発した。しかし、ほとんどのMKR保有者は、米国のベンチャーキャピタリストである。仮想通貨は主にアジアで使われているが、MakerDAOはその地域での存在感を拡大するために必要だ。

ドランゴンフライキャピタルとパラダイムはどちらも、米国とアジアで強力な存在感を誇るグローバルなキャピタルファンドであり、MakerDAOがビジネスと影響力を構築するのに役立つ重要なプレーヤーとなる可能性がある。

MKRに出資しているアジアの著名な投資家は、Maker財団が地域での影響力を高めるのに役立つと強調。Maker財団のCEO、ルーン・クリステンセン氏は、アジアが分散型金融のグローバルな成長の鍵となるとしている。クリステンセン氏は、「ビットコインとイーサリアムの採用と影響力を支援するために、必要な場所だ」と加えた。

クリステンセン氏によると、分散型金融の価値創造は、完全にブロックチェーン上に存在するため、分散型金融(DeFi)は仮想通貨業界の革新の最先端であるとしている。

分散型金融の普及に向けた動きは今回だけではない。Maker財団は12月17日、仮想通貨取引所OKExでの「DAI預金金利(DSR)」を採用。OKExのユーザーが、DAIをOKExに預けることで、金利報酬を得られるようにした。この動きについて、クリステンセン氏は、アジアでのDeFiの一般採用に向けた大きな前進だと指摘している。