仮想通貨犯罪が急増|損失は44億ドルに=CipherTraceレポート

仮想通貨犯罪が急増|損失は44億ドルに=CipherTraceレポート

ブロックチェーンフォレンジック会社CipherTraceのレポートによると、仮想通貨の盗難は、昨年と比較して2019年に急増しているという現状があるようだ。レポートによると、仮想通貨犯罪による損失額は2019年年始から9月までに44億米ドルに急増し、2018年の17億米ドルから150%以上増加しているという。

CipherTraceの最高経営責任者であるJevans氏はロイターに対して「暗号の盗難と詐欺の150%の増加は、犯罪者がより仮想通貨を標的にしていることを反映しています。犯罪者はお金を追いかけており、小さな攻撃はしばしば防御が容易ですが、標的型攻撃に対応するのは困難を極めます。」と述べた。またJevans氏によると、今年の仮想通貨盗難額が急増した主な原因は2つの大きな盗難であると話す。

一つ目は仮想通貨ウォレットと取引所、PlusTokenを含むPonziの疑いがあるスキームから、ユーザーと顧客が29億米ドルを失⑤ことに原因があるようだ。そして2つは、30歳の共同創業者兼CEOであるジェラルドコッテンの予期せぬ死の後、顧客がカナダの仮想通貨取引所であるQuadrigaCXから1億9,500万米ドルを失ったことである。

同氏はさらに「この二つの犯罪がなかったとしても仮想通貨犯罪は前年比で増え続けており、一晩で状況が変化するということは考えられないため根気強い対策が必要である」と付け加えた。また、報告されている犯罪だけが全てではなく、500万米ドル未満の価値のある犯罪は過少報告されることが多いため、実際には報告されているよりも多くの犯罪が起きていると予想されている。

CipherTraceによると、仮想通貨に関する犯罪の種類が完全な窃盗から、詐欺やその他のインサイダーによる詐欺へと移行しているため、対応するには辛抱強く時間をかける必要があるようだ。