米連邦準備制度理事会、「ステーブルコインは金融安定に悪影響を及ぼしかねない」
米国連邦準備制度理事会(FRS)は、毎月の財務安定性報告書を発行しており、レポートでグローバルなステーブルコインは金融に悪影響を与える可能性があると報告した。ステーブルコインの不十分な設計とガバナンスが原因で、国際経済活動、資産価格、および金融の安定性に深刻な結果をもたらす可能性があるとしている。
しかしその一方で、米連邦準備制度はステーブルコインの利点も認めており、より高速で、安価、包括的な支払いが既存の支払いシステムを補完する可能性があると評価している。
また、従来の金融機関が高度でアクセスしにくいことに比べて、FacebookのLibraのようなグローバルなステーブルコインは、国境を越えた採用を迅速に達成することができるともしている。しかし、米連邦準備制度は多くの場合ステーブルコイン、マネーロンダリング、テロ資金、およびその他の金融犯罪に利用される可能性があることも報告書で指摘している。
つまり、ステーブルコインに何らかの信用問題が生じた際に、ステーブルコインの所有者が一斉に法定通貨への交換を要求することがある可能性も危惧している。
特にFacebookのLibraのような大規模なステーブルコインは急速に世界に広まる可能性があるため、発行者は通貨の裏付けをはっきりとさせることや不正利用を防ぐためにプライバシーの管理を徹底することを強調している。またFacebookがリブラの顧客情報とSNSとの統合は悲惨な結果をもたらす可能性があると報告書は特に強く警告しており、ステーブルコインがもたらす破滅的な状況を避けるために求められる最低限のものであり、米連邦準備制度は国内、海外の規制当局とともに警鐘を鳴らしている。