アップル社CEO、「企業が仮想通貨を発行するべきではない」
世界的スマートフォンiPhoneなどを販売するApple Inc.の最高経営責任者であるティム・クック氏は、Appleの仮想通貨の立ち上げには乗り気ではないようで、企業が仮想通貨を発行すべきではないと発言した。
この発言の背景には、3ヶ月ほど前にFacebookは、2020年6月に独自の仮想通貨であるリブラを発行するためにリブラ協会と協力していく計画を発表したことが関係しているようだ。クック氏は、アップル社もこれに追随するかどうか尋ねられた際、次のように自身の考えを述べた。
「私は通貨は国の手の中に収まるべきだと考えています。民間で競合する通貨を導入するべきではない。民間企業はこのように力を得ようとすべきではない。」
フェイスブックが構想する仮想通貨
Facebookの仮想通貨計画は世界で物議を醸しており、最近ではフランスとドイツがリブラ運営をブロックすることを決定し、世界的にFacebookのリブラ計画を規制する流れに進んでいる。Facebookがこのような計画を開始したためアナリスト達は、クレジットカードや電話ベースの支払いシステムなどの幅広い金融サービスを持つ、Appleなどの他の大手テクノロジー企業が同様に仮想通貨をローンチするか推測していた。
またAppleの幹部がCNN Businessに対してAppleが仮想通貨に「注目している」と語ったためさらに大きな憶測が生まれていた。ところがアップルの最高経営責任者であるティムクックは「通貨は国家の根幹をなすものであり、国家の議員は選挙で選ばれているが、企業は国民に選ばれているわけではないため、このようなことをすべきではない」と話す。
Facebookが仮想通貨計画を発表したため、他の競合企業であるアップルにも仮想通貨計画のローンチが注目されていたが、公式にクック氏が否定したことでその可能性は極めて低いと言えるだろう。