「LINE Blockchain」が目指す世界 =国内最大級のカンファレンス「btokyo」レポート

「LINE Blockchain」が目指す世界 =国内最大級のカンファレンス「btokyo」レポート

LINE株式会社の子会社であるLVC株式会社は、仮想通貨関連をサービスを展開し、すでに日本国内で仮想通貨取引所BIOTMAX(ビットマックス)をスタートさせている。大手メッセージアプリLINEで使用できる「LINE Pay」や、「LINE証券」など、金融分野へ意欲的な姿勢をみせ、日本国内はもちろん、海外でも急激な成長を遂げている。

今回の登壇では、なぜブロックチェーン技術という最先端技術の分野に挑戦し、どのような世界を目指しているのか。これまでの経緯を語った。

高 永受(Youngsu Ko)氏
  • LVC株式会社 代表取締役)

LVC株式会社代表取締役。LINE Pay株式会社代表取締役CEO、LINE株式会社 上級執行役員も務める。2011年に誕生したコミュニケーションアプリ「LINE」の開発で重要な役割を果たし、LINEのコア製品とサービスのプランニング部分をグローバルで先導。NHNのUIテクノロジーラボの責任者を含め、開発者として長年の経験を持つ。(btokyo公式サイトより引用

登壇スピーチ

もともと開発者でLINEのマネージャーとして関わり、その後、LINE Payを立ち上げました。世界観については、ユーザー目線で構築を行い、ブロックチェーンも同じ視点を持って取り組みたいと考えていました。このような考えの中、コミュニケーションツールとして誕生。サービスとサービス、人と人を繋げることになったのです。

LINE Payは、日常生活には欠かせないツールとなりました。これまではコミュニケーションや、コンテンツのみでしたが、ブロックチェーンを今後の重要課題と考えています。そしてブロックチェーン市場への参入は、これまでとアプローチは同じです。LINKチェーンを中心に、4つの領域でサービスを展開しています。

まず、サービス。提供する側は、ユーザが一緒に作っていかなければなりません。ユーザーが使わないサービスはサービスではありません。ラインでは貢献度合いによってリワードを付与します。

LINKコインだけではなくて、LINKチェーンを公開し、サードパーティへの公開を目指しています。現在LINEで扱う個人情報を保護するために活用するなど、様々な活用事例を作っています。フィンテック領域においては障壁があるため、パートナー企業との連携も進め、今年の上半期にはVisaとの提携を発表しました。

取引所は、シンガポールのBITBOX、日本でもBITMAXを展開しています。新しいサービス体験とプロダクトを提供したいと考えています。

はじめに

Q.目的、現状、戦略は?

メッセンジャーを開発した理由はパラダイムシフトが来るだろうと考えたからです。ブロックチェーンも同じです。LINEが活用すればより良いサービスを生み出せるだろうと考えたからです。

Q.ビッグピクチャーは?

私たちはサービスを作り、提供する会社です。
ユーザーのサービス体験を重要と考えるLINEでは、ブロックチェーンを使えばさらなる可能性を生み出せるだろうと。

仮想通貨取引所BITMAXと、LINKエコシステム

Q.BITMAXの戦略は?

BITMAXでは、バリューのある物を提供できると考えています。また、コインやトークンだけでなく、安全性を考慮して取引所を立ち上げる選択に至りました。KYCなど、ユーザにとって使いやすく、安心できる便利なサービスになっています。今は5つの通貨ですが、他にも上場させる予定です。

Q,LINK Ecosystemとは?

LINKのエコシステムとは、ユーザが参加するとリワードとして還元する設計になっています。決済に使うなど。また、ユーザーが参加しやすい環境を作るのが我々の役割です。実際に参加してもらって、一緒にパートナー関係を作っていきたいと考えています。

ユーザによる貢献、ユーザへのリワード、リワードを使える環境を整えていきたいと考えています

Q、なぜ独自チェーン(LINK Chain)なのか?

世界観を実現するには、安心、安全を実現し、大容量に耐えうるプラットフォームを作る必要があると考えました。スピーディーに要求に答える、プロダクトを構築するために自分たちで作るべきという判断になりました。

Q,日本で取引所をやるのは非常に大変でしたか?

はい、非常に時間がかかりました。今回、準備していて、金融庁が世界の規制のトップを走っていることを実感しました。現在のスピードは、当初の予定より、遅れてしまいました。

時間がかかったからこそ、ユーザへ安心、安全なサービスを提供できるようになりました。

Q.LINK Chainから何が生まれるのか?

5年前にLINE Payを立ち上げました。ユーザの資産を守るなど、フィンテックに関する領域は非常に時間とコストがかかります。チェーンを通して、今までの時間、コストを削減したいと考えています。もちろん、イノベーションを推進したいと考えています。

Q,今後の展開は?

まだ仮想通貨、ブロックチェーンに参入して、この業界は時間がかかると感じました。準備できたのもから公開していますが、来年以降に本格化すると思います。規制を守る、ユーザー保護を一番に考えています。今後はスピードを出せると思います。

LINEサービスとの関係性

Q,LINE スコアとの関連は?

スコアとは最近オープンしたばかりの新しいサービスです。安心して使えるサービスにしていきたいと思っています。LINEのメッセージは見れませんが、どの時間に使っていたかというデータを算出します。

Q,コピーライトは?

これは著作権に関するののです。詳しくはまだ話せません。

KYCについてですが、パスポートの一つです、ブロックチェーンを活用して実現します。証券などの金融サービスも提供していて、毎回登録するのは面倒です。すでに、KYCの共有は進めています。LINE PayでKYCをしているユーザはBITMAXのKYCのほとんどが必要ありません。弊社のサービスのユーザビリティがさらに向上すると考えています。

Q,dApp(分散型アプリケーション)は?

ブロックチェーンに基づいたサービスです。LINEで検討をしているサービスもあります。まだ具体的にお伝えできませんが、みなさんが喜ぶようなサービスを準備しています。

話したいけど、確定してないのでまだ話せません。まだ内部で研究、調査している段階です。

Q,最後に一言お願いします

エコシステムを通して、世の中により良いサービスを提供することです。我々と一緒に素晴らしいサービスを作っていきましょう。