クラーケン 2026年IPOに向け5億ドル調達 評価額200億ドル視野に

クラーケンが2026年のIPOに向けて5億ドルを調達したことを象徴するイメージ。金融街のビル外観と企業の成長を示す雰囲気を表現。

上場準備と資金基盤を強化

仮想通貨取引所クラーケン(Kraken)は、評価額150億ドル(約2.2兆円)で5億ドル(約742.5億円)の資金調達ラウンドを完了した。

上場は2026年を計画しており、同社はIPO(新規株式公開)に向けた体制を進めている。あわせて、評価額200億ドル(約2.97兆円)で戦略的投資家と協議中とされ、資本政策と事業拡大を同時に進める。2011年設立の同社は、プロのトレーダーと機関投資家を主な顧客に据え、流動性と取引執行力を強みに事業を伸ばしている。

資金調達と上場準備の現状

今回のラウンドにはTribe Capitalが参加し、アルジュン・セティ(Arjun Sethi)共同CEO(最高経営責任者)も個人的に出資した。

これにより累計調達額は5億2,700万ドル(約783億円)に到達した。第2四半期の売上高は4億1,100万ドル(約610.7億円)、EBITDA(※1)控除後利益は8,000万ドル(約118.8億円)で、前年同期比18%増と業績は堅調だ。上場時期を2026年に設定し、評価額は直近の150億ドルに加え、200億ドルの水準で戦略的投資家と協議しており、投資家層の拡大が進んでいる。

(※1)EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:イービットディーエー/イービットダー)とは…
企業価値評価の指標で、利払い前・税引き前・減価償却前利益のこと。

主要指標と評価額の動き

売上と利益の伸長に加え、累計調達の積み上がりがIPO準備を下支えする。評価額は調達完了時点の150億ドルが基準となり、戦略的投資家との協議が成立すれば、資本コストと株主構成の最適化が進む見通しだ。

事業拡大と提供サービス

クラーケンは買収と新サービスでプロダクトの厚みを増やす。大手取引プラットフォームNinjaTraderを15億ドル(約2,229億円)で取得し、200万人超のユーザー基盤を取り込んだ。

併せて、Appleやテスラ(Tesla)などの株式を対象にしたトークン化プラットフォーム「xStocks」を導入し、取引コストが高い地域でも需要を取り込む。プロ向けにはKraken Proや堅牢なAPIを軸に、約定品質と流動性を重視した環境を整える。欧州ではMiCA規制に合わせて中小企業向けの銀行サービス強化を進め、英・欧州を起点に事業面の基盤を広げる。

買収とトークン化の展開

NinjaTraderの統合は、伝統的金融と仮想通貨を結びつける取り組みであり、トークン化資産との補完関係を生み出している。さらにxStocksの導入によって、株式エクスポージャーをデジタル資産の枠組みで扱える選択肢が増え、顧客層の拡張につながっている。

 

ABOUTこの記事をかいた人

2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム