エアウォレックス(Airwallex)、英国と米国で銀行免許取得へ=ロンドンIPOを断念

エアウォレックスが英国と米国で銀行免許取得へ

シンガポールに拠点を置く決済スタートアップ企業、エアウォレックス(Airwallex)は、英国と米国で銀行免許取得に向けて準備を進めており、融資サービスへの進出とグローバル銀行への挑戦を計画している。

日本語訳:
シンガポールを拠点とする決済会社エアーウォーレックスは、米国と英国で銀行免許を取得して融資分野に進出する計画を立てていると報じられている。

ロスボーダー決済、グローバルアカウント、そして迅速なフィンテックインフラの提供で知られる急成長中のフィンテック企業エアウォレックスは、決済サービスの枠を超え、米国と英国で銀行免許に向けた準備を進めている。従来の銀行と競合し、サービスを拡大する可能性が浮上した。同社のジャック・チャン(Jack Zhang)CEO(最高経営責任者)は、英国のフィンテック導入に有利な環境と、FCA(金融行動監視機構)を主要規制当局として挙げ、英国の銀行免許取得を申請する意向を明らかにした。

現在、Airwallexはさまざまなライセンスや規制当局との提携の下で事業を展開しており、資金の保管やカード発行において、多くの場合、第三者である銀行に頼らざるを得ない状況だ。そのような状況下から、銀行ライセンスを取得することでこの様な仲介業者を排除し、コストを削減できるほか、融資、貯蓄、完全に規制された預金など、より幅広いサービスを自社名義で提供できるようになる。

承認取得は容易な道のりではない

英国の銀行免許取得計画があるにもかかわらず、同CEOは英国でのIPO(Initial Public Offering:新規公開株式)は却下し、流動性とアクセス性に優れた米国資本市場を理由に米国上場に注力している。

大企業にとってロンドン市場の魅力を高める努力にもかかわらず、ロンドンは資本市場へのアクセスにおいて依然として米国に後れをとっていると同CEOは指摘している。この決定は、高い評価額とより厚みのある資本市場に惹かれ、英国企業が米国上場を選択するという、より広範な傾向を反映。複数企業が、米国市場への収益貢献と、一般的に高い評価額を理由に、ロンドン証券取引所からニューヨーク証券取引所に上場を移転している。

米国は規制の厳しさで知られており、OCC(Office of the Comptroller of the Currency:米国通貨監督局)やFRB(The Federal Reserve Board:連邦準備制度理事会)などの規制当局は、自己資本比率から役員の髪形まで、あらゆることを精査。一方、英国のFCAとPRA(Prudential Regulation Authority:健全性規制機構)の承認取得は、決して容易な道のりではない。

同社はまだライセンス申請を公式に認めておらず、IPOを見据えた戦略的な動きの可能性もある。同社が銀行免許取得に向けて舵を切ったのは賭けだが、大きな成果を生む可能性を秘めている。

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