ロシアの仮想通貨取引所WEXの元CEO、ポーランドで逮捕後米国に引き渡される

ロシアの仮想通貨取引所WEXの元CEOがポーランドで逮捕後米国に引き渡しへ

ロシアの仮想通貨取引所WEXのドミトリフ・ヴァシリエフ(Dmitriv Vasiliev)元CEO(最高経営責任者)が詐欺とマネーロンダリング(資金洗浄)の容疑でポーランド警察に逮捕され、後に米国に引き渡されるとみられている。

ポーランド警察は、ポーランドのプライバシー法違反でヴァシリエフ容疑者を逮捕。この事件は、仮想通貨取引所運営中に詐欺とマネーロンダリングをしたことと関連している。同容疑者は、6年前に破綻したロシア最大の仮想通貨取引所WEXを運営しており、今回の逮捕はワルシャワ地方検察庁の命令によるもので、間もなく米国に引き渡される。ロイターの報道によると、ポーランド警察広報担当者は次のように述べている。

ドミトリー・Vは、世界最大級の仮想通貨取引所の運営に関連して、多数の詐欺、送金、マネーロンダリングの疑いがある。この男性は身柄を拘束されており、引き渡しに関連する手続き全体が完了するのを待っている。米国への引き渡しにより、ドミトリー・Vは最大20年の懲役刑に処される可能性がある

ポーランドの現地法により、ドミトリー・Vとだけ特定されていたが、2018年に破綻するまでロシア最大の仮想通貨取引所だったBTC-eの後継であるWEXを経営していた際に詐欺やマネーロンダリングに関与した疑いがあると、ロイター通信とポーランドのRzeczpospolitaが12月6日付で報道した。

2021年8月、カザフスタンの要請により、ポーランドの空港で拘束された同容疑者だが、40日間の拘留後に裁判所の決定により釈放され、ロシアに帰国している。「仮想通貨王」と呼ばれた同容疑者は、ロシアに再入国。ロシアに帰国してから少なくとも3年間、発見されずにいた。

繰り返される逮捕も引き渡し要請の誤認も

ポーランドの法律紙Rzeczpospolitaは、ロシア国籍の同容疑者は、カザフスタンからの引き渡し要請を受けて、2022年夏にクロアチアのザグレブ空港でインターポールに逮捕されたと報じていた。

2019年に同容疑者はイタリア当局に逮捕されたが、引き渡し要請に誤りがあったことが判明し、すぐに釈放。Rzeczpospolitaによると、WEXから4億5,000万ドル(約679.6億円)近くが行方不明になっている。

WEXは運営当時、WEX は稼働していた当時、100万人を超えるユーザーから90億ドル(約1.3兆円)以上の取引を処理しており、その多くは米国人相手であった。さらに、事実上身元確認がされていないと報告された有名な“ダーク”取引所として広く知られた存在であり、初期の仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt.Gox)を含む多数の有名な仮想通貨ハッカーから資金を受け取っていたことが後に判明している。

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