ブラジルでビットコイン準備金法案が提出される
ブラジル連邦下院議員エロス・ビオンディーニ(Eros Biondini)氏は、仮想通貨を国の金融枠組みに統合するための一歩として、国家ビットコイン準備金を創設する法案を提出した。
2024年11月25日(月曜日)に提出されたこの法案は、ブラジル国庫の金融資産を多様化することを目的としたRESBit(Sovereign Strategic Bitcoin Reserve:国家戦略ビットコイン準備金)の設立を提案している。同議員の法案では、国際準備金の最大5%をビットコイン(Bitcoin/BTC)購入に充てるべきと提案。現時点でブラジルはBTCを保有していないことから、法案が可決されればゼロから始める必要がある。今回の動きは、ビットコインの採用に強気な姿勢を示しており、国家間での大量採用の始まりとなる可能性があることから、重要な意味を持つと注目されている。
ブラジルの新CBDC「Drex」の発行を強力に支援
この法案は、ブラジルの準備金を為替レートの変動や地政学的リスクから保護し、公共部門と民間部門全体でブロックチェーン技術の採用を促進し、ブラジルの新CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)「Drex」の発行を強力に支援することを目的としている。
同議員は、RESBitの創設はブラジルをデジタル経済の最前線に位置付ける戦略的な措置であると強調したうえで、現地メディアに次のように語っている。
このプロジェクトの承認は、国の経済主権を保証し、ブラジルを世界のイノベーションのトレンドに合わせるために不可欠です。
暗号資産に関する公衆教育を含む
この法案では、仮想通貨の取得に関する計画的アプローチも概説されており、ブラジルの外貨準備高の5%に制限された「段階的なビットコインの蓄積」を提案し、これらの資産をコールドウォレットで管理する。
さらに、準備金からの支出は、財政規律を保証するブラジルの財政責任法に準拠する必要があり、既存法では、透明性と説明責任を維持するために、すべての取引を半年ごとに国会に報告することが義務付けられている。
ビットコイン準備金の管理は、財務省と協力してブラジル中央銀行の責任になると報じられており、「運用の完全性」のためにAI(人工知能)とブロックチェーン技術を使用した監視および制御システムの開発も担当。さらに、暗号資産について国民に向けた啓蒙活動条項も含まれており同議員は仮想通貨の重要性が高まっていることを強調し、その世界的な市場価値がここ数週間で3兆ドル(約457兆円)を超えたと指摘した。
仮想通貨のボラティリティにもかかわらず、同氏は暗号通貨が正当な資産クラスとしてますます認識されていると主張。各国が、ビットコインを準備資産として採用する考えに前向きになっていることを考えると、これはBTC価格にとって強気な材料であり、仮想通貨との経済統合に効果的な戦略を採用する国は、中長期的に大きな利益を得る可能性が高いと示唆している。